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うぉーろっ君 @ tkti026.osk.3web.ne.jp on 97/11/11 06:13:49
In Reply to: ハロウィン大戦〜Venom Strike!〜(中編)
posted by うぉーろっ君 @ tkti026.osk.3web.ne.jp on 97/11/11 06:11:29
> 「死ぬかと思ったぜ……牛殺しの方がよっぽど楽だ……」
> 「悪魔王の存在がかわいく思える……」
>
> 床に跪き、手で口を押さえながら、カンナと大神がようやく感想を口に出す。
> 言葉と言うより、呻きに近い声ではあるが。
「さぁ、次は隊長の番ですよ」
「やっぱし俺もやるの?」
「やるんです」
「こうなったらヤケクソだぁ! 隊長、どーんと来い!!」
この状況で「やっぱしやらない」などと口に出来るほど、大神は命知らず
ではない。とは言え、全くアイデアは浮かばないので、とりあえず普通に
パイを焼くことにする。
「焼いてる間に、一つぐらいは浮かぶだろう」
などと楽観的に構えていたのだが、全くもって甘かった。
(う……浮かばない……)
根がお人好しな彼にとって、人を苦しめるためのメニューを考えろと
言うのは、少し酷な注文かもしれない。
(ああ……旨そうだ……)
目の前の焼きたてパイに、思わず涎がこぼれそうになる。そう言えばまだ、
朝食を口にしていない。
(どうしてこんな旨そうな物を、わざわざ不味くしなくちゃいけないん
だろう……やっぱし、命懸けでも最初に逃げ出すべきだったか……?)
今さらもう手遅れである。
(なんでこんな事になっちゃったんだろう……ああ、鼻水を啜りながら食堂に
向かっていた時まで時間が戻せたなら……鼻水……そうだ、俺、風邪気味
なんだったな……)
意識すると、急に鼻がむずむずしてきた。
「ふぁ……ふぁ……ふぁぁぁぁ〜っくしょーーーーーーい!!」
口を押さえる間もなく、盛大なくしゃみが出た。鼻が痛い。
「汚ねぇなぁ……食い物に向かってするなよ」
「ごめんごめん……って、おや?」
ふと気付くと、パイの上に今のくしゃみで飛び出た大神の鼻水が豪快に
ぶっかかっていた。
「あ〜あ、これはもう駄目ですね。新しいのを焼きましょう」
「ああ、そうだな…………いや、ちょっと待って……」
生ゴミ入れに入れようと、皿に手を伸ばしたマリアを止め、大神は
鼻水のかかったパイをじっと見つめる。
「…………お…………あ…………」
突然、瘧(おこり)にかかったように、大神が身を震わせる。
「隊長……?」
「どうした、隊長!?」
二人が大神の様子を訝しげに見る。「変な物を続けて食べて、変になって
しまったのだろうか」と言いたげな顔つきだ。
「出来た……」
「え?」
「出来たあああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
絶叫。思わずマリアとカンナが一歩後ずさる。
「……ふっふふふふ……そぉだこれだ! 俺が求めていたのは!」
顔を見合わせる二人を尻目に、大神が吠える。ついさっきまでパイの前で
悩んでいた男と同一の人物には見えない。
「いかな調味料や食材を組み合わせても作り出せない、根元の味だっ!!」
「あ、味って……」
「まさか……」
嫌な予感に顔を引きつらせる二人の前に、大神が鼻水パイを突き出す。
「名付けて『パンプキンパイ・フルヘッヘンド仕立て』!! さぁ、食え!!」
『やっぱりぃぃぃぃ!!!』
予感的中。
「どうした、遠慮はいらんぞ! たらふく食ってくれ!!」
『食えるかぁっ!!』
「なんだとお前ら! 隊長命令に背くのか!?」
「あなたは、隊長失格です!」
「中国の町の中に飛行機落としたくせに、なにが隊長だ!」
「何ぃ!!」
☆ ★ ☆
物陰にて。
「……大神さんの……鼻水入りパイ……」
狙った獲物は必ず狩り取る、破邪の血統の血が騒ぐ。
「必ず、あたしの物にしてみせる……」
頬を赤らめ、心に誓う。乙女心の成す業か。
真宮寺さくら、19歳の青春である。が、これはまた別の話である。
☆ ★ ☆
「あのぅ……」
「だいたい、『ふるへっへんど』ってな、なんなんだよ!」
「杉田玄白先生に訊け!」
「故人じゃねーか!」
「あの……お取り込み中、すんませんけど……」
三人の言い争いに、果敢にも声をかける、チャイナドレスの少女。
帝劇名物爆裂娘、李 紅蘭である。
「なんだ! 今取り込み中だ!!」
「そない怒鳴らんでも……いやな、そこのカボチャ提灯、ウチが貰ろても
よろしいかな、と」
「勝手にしろ!」
状況が状況なだけにしょうがないのかもしれないが、大神にそんな態度を
とられると、彼に他意はないとはわかっていても悲しくなる。
だが、そんな想いをおくびにも出すつもりはない。
「ほな、ありがたく……お邪魔しましたぁ〜」
自分に累が及ばない内に、紅蘭はそそくさと厨房を後にした。
「だいたい隊長は……!」
「そう言うきみこそ……!」
まだ三人が言い争っている声が聞こえるが、今晩の計画を頭の中で練っている
紅蘭の耳には、ただの雑音としか認識出来ない。
「このカボチャ頭でお化けのロボットを作って……見とれや大神はん、ウチを
邪険に扱うたつぐない、きっちりしてもらうで」
この、名付けて「ハロウィンにかこつけて大神はんに一泡吹かせたろ作戦」
は、その夜、早速実行に移されることになる。
☆ ★ ☆
一方、「ハロウィン毒パイ研究会」の三人は……。
結局昼近くまで、稽古も訓練もそっちのけで言い争い、米田支配人に
大目玉を食らってしまったとさ。
とっぴんぱらりのぷぅ。
――ハロウィン大戦〜ある日の小さな出来事〜に、続く――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
「一旦、不参加を表明しといて、今さらなんや!」
……ごもっとも(^^;
「しかもメッチャ長いし! えんかいくん零式さんの『手頃な長さで面白い話』
を目標にしとるんとちゃうんけ!!」
……面目ない(^^;;
そのくせ、所要時間は2時間弱。
やっぱし中身スカスカなギャグは書きやすくていいや(爆)。
「おまけにこんなしょーもない話を無一文さんの話に無理矢理つなげようと
してるし。主催者を敵に回す気かいな!!」
……返す言葉もございません(^^;;;
あ、いや、どっかに書いた「反則技」ってやつです。
ですからむしろ「公約通り」な訳です、はい。
……って、思いっきし言葉返してるやん(-_-; >自分
P.S.
無一文さん、勝手なことをしてご免なさい。 m(_ _)m
P.S.そのに。
沙村広明先生、一部パロってご免なさい。 m(_ _)m
P.S.そのさん。
帝撃学園ではありません。
期待してた方(万が一いらっしゃったら)、ご免なさい。 m(_ _)m
P.S.そのよん。
こんなくそ長い駄文に最後までお付き合い下さったみなさん、
誠にありがとうございます。 m(_ _)m
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