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投稿者:
えんかいくん零式 @ pppbb86.pppp.ap.so-net.or.jp on 97/11/04 02:08:30
秋晴れの空の下、校庭の並木が風に揺れている。
☆ ☆ ☆ 帝撃学園・校門 ☆ ☆ ☆
帝撃学園の事務局職員 藤井かすみ。
彼女は到着した学園理事長・神崎重樹を出迎えていた。
神崎理事長 「いやぁ、わざわざ出迎えてもらって、すまんね。理事長といっても名ばかりで、めったに学園に顔を出せんのでね。米田校長と面談する前にぜひ学園の見学を頼もうと思って」
かすみ 「わかりました。では、こちらへ・・・・あっ!」
どどどどどどどどどど どかん!!
大神 「イタタタッ・・・ああ、ごめんなさい!」
神崎理事長 「いてててぇ、な、なんだね、君は!こら、逃げるのか!!」
大神 「ごめんなさ〜〜い。後でちゃんと謝りま〜〜〜〜す」
だだだだだだだだだだ ばきっ!!
神崎理事長 「んがぁ〜〜〜。か、顔を踏まれたぁぁぁぁぁぁ!」
さくら 「大神さんの浮気もの〜〜〜〜〜〜!!」
だだだだだだだだだ
神崎理事長 「に、日本刀をかまえた女生徒が!」
かすみ 「あらあら、学園見学の最初に『学園の名物』を体験できるなんて、運がおよろしいですわ」
神崎理事長 「名物・・・・・・あれが?」
☆ ☆ ☆ 校内・廊下 ☆ ☆ ☆
かすみ 「こちらが学園の中心にあるC棟校舎です」
神崎理事長 「うむうむ、校舎の手入れは行き届いおる。壁も真っ白・・・っと、ここの壁はなんだ?すすけて真っ黒じゃないか」
かすみ 「はい、ここはハツメイ倶楽部の部室の前ですので・・・ハッ!ふ、伏せてください!!」
ちゅどおぉぉぉぉぉん
紅蘭 「げーほげほ、あかんわ〜〜〜まーた爆発や」
かすみ 「あら、理事長お顔が真っ黒」
神崎理事長 「・・・・・・・・けほ」
かすみ 「さあ、このハンカチを・・・あっ、危ない!壁際へ下がってください!」
ぶもおおおおおおおおぉ
神崎理事長 「う、牛!」
がお、がおおおおおおぉ
神崎理事長 「ク、クマ!!今度はクマが走って・・・」
カンナ 「ええぃ、待ちあがれ!あたいと勝負しろぉぉぉぉぉ!!」
神崎理事長 「は、ハチマキ男!・・・いや、女か?・・・い、今のを見たかね?」
かすみ 「ええ、見ましたわ。『廊下を走るな』って張り紙を何度張っても、ああなんですよ。しょうがないですね」
アイリス 「キャッ☆彡 キャッ☆彡 キャッ☆彡」
神崎理事長 「金髪娘・・・・・・」
☆ ☆ ☆ 校長室前 ☆ ☆ ☆
かすみ 「それでは、そろそろ校長室にご案内を・・・あら?」
すみれ 「まったく、屋上にわたくし用のペントハウスを建てたぐらいでガタガタと、このクソじじい!」
米田校長 「なーんだとぉぉ!」
カン、カン、カン、カン
かすみ 「あらあら、米田校長はすみれさんとお話し中ですね」
神崎理事長 「お話し中って、長刀と日本刀をかまえてかね?」
かすみ 「いつものことですから」
神崎理事長 「『いつも』って、うちの娘はいつも学園であんなことをしてるのかね?」
かすみ 「ええ」
神崎理事長 「頭痛いっ・・・・」
かすみ 「それは大変。早くお薬を」
☆ ☆ ☆ 理事長室 ☆ ☆ ☆
かすみ 「ようかんと熱いお茶をお入れいたしましたので、こちらで米田校長をお待ちに・・・・ハッ!」
バキィ
バキューーーーーーン
神崎理事長 「アイタタッ、かすみくん!ひとの後ろ頭を張り倒すとは、どういうつもりだ!!」
かすみ 「あぶないところでした。イスにめり込んでるわ・・・ほら、44口径の弾丸です」
神崎理事長 「わぁ!な、なんでそんなものが打ち込まれるんだ!!」
かすみ 「そういえば、マリアさんが裏庭で射撃訓練をしてましたから・・・」
神崎理事長 「射撃訓練!じょ、冗談!!」
かすみ 「ええ、これは跳弾ですね」
神崎理事長 「わ、わ、私は、きゅ、きゅ、急用を思い出したので、か、帰るよ」
すた、すた、すた、すた ばたん
かすみ 「あら、急にどうされたのかしら?こまったわ・・・ようかんとお茶が手つかずじゃないですか。しょうがないから私が食べてしまいましょう」
ようかんをほおばり、熱いお茶を飲む。
ふと見上げた窓の外、校庭の並木は既に秋の彩りである。
舞散る落ち葉に、足早に過ぎ行く秋への郷愁と、訪れる冬の寂寥を感じる藤井かすみ。
帝撃学園、のどかな秋の日のことであった。
☆ ☆ ☆ 校 庭 ☆ ☆ ☆
さくら 「大神さん、もう許さないぃぃ!」
神崎理事長 「んがぁ〜〜〜。また踏まれたぁぁぁぁぁぁ!!」
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