花火大戦1〜帝劇偏〜



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投稿者: 天下無敵の無一文 @ es3cwww.cc.u-tokai.ac.jp on 97/7/30 17:07:28

ひゅぅ〜〜〜どど〜ん

アイリス「わー!すごいすごーい!!
      お兄ちゃん、早く早くー!」

大神「おーいアイリス、そんなに急ぐと転ぶぞー。」

 アイリスはすごいはしゃぎようだ。

さくら「アイリス、嬉しそうですね、大神さん。」

大神「ああ、アイリスはフランス人だから、
    花火が珍しいんだな。」

 今日は、とある場所で花火大会。大帝国劇場の面々は、
 夏の風物詩とも言える、花火見物に来ていた。

さくら「大神さん、このゆかた、似合いますか?」

 ほんのりと頬を染めて訪ねるさくら、
 きょうのさくらは、さくらいろのゆかた姿である。

大神「ああ、とてもよく似合っているよ。」

さくら「うふ、大神さんにそう言っていただけると嬉しいです。」

 心の底から嬉しそうにほほえむ。

紅蘭「なんや、大神はん、さくらはんばっかりほめて、
    うちかてなかなかのもんやろ?」

 紅い蘭の模様をちりばめたゆかたを着た紅蘭は、
 うちわを口元に寄せてほほえんでみせる。

大神「チャイナ服の紅蘭を見慣れているからなぁ、
    新鮮で、すごくいいと思うよ、よく似合ってる」

紅蘭「イヤやわぁ、大神はん、そりゃ誉めすぎやで。」

 手放しで誉める大神に、紅蘭は赤くなって
 照れ笑いを浮かべた。

カンナ「隊長〜。」

 自分を呼ぶ声に振り向くと、こちらの方に歩いてくる
 一団があった。

大神「お、みんな集まってきたな。」

さくら「みんなー、こっちですよー。」

 さくらの声に、みんな足を早めたようだ。

米田「大神、よくこんな場所見つけたなぁ。」

 感心したように米田がいう。彼は青っぽい、
 柄無しのゆかたを着ている。

大神「この間の休みの時に見つけたんです。でも、こんなによく
    見えるとは思いませんでした。」

 一同がいるところは、ちょうど小高い丘のようになっていて、
 夜空を見上げるのに周りの建物がじゃまにならない。
 美しい花火がとてもよく見えた。

米田「全く、こういうときだけは用意がいいんだからなぁ。
    おめぇ、ちゃんとモギリの仕事もてぇぬくんじゃねぇぞ?」
あやめ「長官、いいじゃありませんか、あの子たちも
     楽しんでるみたいですし。」

 くすくす笑いながら、あやめは米田の隣に並んだ。
 見ると、花組の面々と、三人娘達が夜空を彩る花火に
 歓声を上げている。

ひゅぅ〜〜どど〜ど〜ん 
ひゅひゅぅ〜〜どど〜ど〜ん 

 ちなみに、あやめは濃い深緑に、紫の花が咲いたゆかたを
 着ていた。大人の色気と相まって、まるで一枚の絵のよう
 である。

マリア「隊長!こちらの方がよく見えますよ。」

 うすい灰色の、飾り気のないゆかたを着たマリアが大神に
 声をかける。

 マリアのブロンドの髪と花火の光が、暗い色のはずの
 ゆかたを着ているのに、独特の彩りと華やかさを
 かもし出していた。

大神「有り難う!マリア!
    それじゃ長官。」

米田「いいから行って来い。」

あやめ「アイリスをお願いね、はしゃぎすぎて転ばないように」

大神「はい。」

 答えて、いつの間にか先へい行ってしまっていたみんなの
 後を追う。
 
 ちなみに大神は、真っ白いゆかたである。

すみれ「少尉さん、あやめさんと何を話していらっしゃったの?」

 むらさきのゆかたに、きいろい帯を締めたすみれが
 少し嫉妬の混じった口調で訪ねた。

 ゆかたの色はいつの服と同だが、今日は肩をはだけて
 いない。それだけで新鮮に感じるから不思議である。
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長くなるから次へ。