[ このメッセージへの返事 ]
[ 返事を書く ]
[ home.html ]
投稿者:
うぉーろっ君 @ tkt027.osk.threewebnet.or.jp on 97/7/29 00:18:09
「あ、大神さん、綿菓子食べましょ」
「ん〜、このイカ焼きいい匂い。食べましょうよ、大神さん」
「ふぅ、のど乾きません? あそこで冷やし飴売ってますよ」
帝都にも冷やし飴があるとは意外である。
「おいおい、さくらくん。あんまり食べると太るぞ」
苦笑いで言う大神に、
「……それは言わない約束ですよ」
さくらが軽く睨みながらふくれっ面で抗議する。
「はいはい」
「わかればよろしい。あ、あのお面、大神さんに似合いそう!」
「い、いやだぞ! あんなの付けて歩くなんて!」
「ふふっ、大神さんったら」
軍人気質の家に生まれ育った大神には、女の子はよくわからない。
わからないが、さくらの満面の笑顔を見れば、このデートを楽しんでくれて
いると言うことはわかる。
「……花火大会に行かないか?」
誘ったのは大神の方である。当然、さくらの首は縦に動いた。
ここで問題になるのは他の花組メンバーの動向だが、策は練った。
前にさくらから誘われたときには何故か出かけようとするところを
帝劇のメンバーにことごとく見つかり、これまた何故か妙なパズルで
戦わされたりとさんざんな目にあったので、今日ははじめから外で
待ち合わせたのだ。
……策と言う程のものでも無い様な気もするが。
「……今のところ、策は成功したと言えるな。問題は、初詣の時みたいに
みんながこっそり付いてきてる可能性だが……」
「どうしたんですか? 大神さん。さっきからぶつぶつと」
「あ、いや、なんでもないよ」
慌てて笑顔を返す大神。
「? 変な大神さん。……ちょっと疲れちゃった。あそこの広場で花火見物
しません?」
「ああ、そうだね」
それ(花火見物)が当初の目的だったはずだなどとは、口が裂けても
言えない大神である。
どーーん、どどーーん。
色とりどり、大小さまざまな花火が夜空に飛び交い、舞い踊る。
「きれいですね……」
さくらが夢見心地で呟く。
「今夜は楽しかったかい? さくらくん」
「ええ、とっても!」
夜の帷(とばり)と、花火の炎。光と影のイルミネーションが二人を包む。
夜の風が吹きすぎ、その冷たさにさくらの肩が震える。初夏とは言え、
夜風はまだ冷たさを含んでいる。
「……帰ろうか?」
促す大神。その彼の顔を見上げ、
「……去年の、埋め合わせして下さい……」
口に出して、伏し目がちになるさくら。
「……去年の埋め合わせ?」
「……はい。一緒にお掃除する約束をしたのに、アイリスとデートに
行っちゃったことの……」
「あのときの……わかった」
これ以上、何も言う必要はなかった。
「あったかい……」
卓越した剣技の使い手とは思えないほどの、華奢な身体の少女を抱きしめた。
「さくらくん……」
「……大神さん」
二人の影が重なり、そして…………
<了>
――――――――――――――――――――――――――――――――
企画、乗らせていただきましたぜ、無一文さん!!(^^)
……「一緒に出かける」と言うコンセプトからは外れてるかもしれませんが、
気にしちゃ駄目です!(爆)
今回はプロットも何もなく、ただ頭の中でキャラが動くままに書き殴ったので
文法もテクニックもくそくらえって感じです(^^;;;
あと、今日はさくらの誕生日なので、大神くんとちょっとラブラブにして
みたんですが、どうでしょうか?
……って、もう日付替わっちゃいましたが。
おのれ3Web!! このような日に何故なかなか繋がらぬ!!(T-T)
|