> みなさん遅い遅いといいますが、何の速度かはっきりして欲しいです。

一言で言えばバス周り、AGP/PCI共にIntel系に比べると遅いという事
でしょうか。

> そもそもAGPは3D使用時のメインメモリーアクセスを速くするための
> ものなので、2Dが遅いというのは筋違いだと思いますが（分かり
> 切ってることでしたらすいません）

違います。 AGPの目的は、グラフィック処理に必要なデータ転送を
PCIバスから切り離し、専用線を持ち、AGPバスマスターによって
転送の効率化を図る事です。

Windows GDIのコマンドオペレーションに関しては現在のPCIバスの
132MB/sec(32bit/33MHz)の転送容量で確かに十分です。 ところが、
PCIバス対応のデバイスが増える事によって、グラフィックカードが
使えるバンド幅が狭まり、PCIバス自体が飽和する事が今後は予想
される訳です。

また、メインメモリーアクセスに関してはAGPだろうがPCIだろうが
メインメモリーのバンド幅は528MB/sec(64bit/66MHz)で変わる事は
ありません。 むしろAGPによってメモリーバンド幅が今まで以上に
占有されれば、グラフィック処理以外の処理に支障が出る筈です。

AGP×2モード(528MB/sec←32bit/133MHz)を最大限活用する場合、
メモリーバンド幅は528-528=0MB/secで、他の処理を行えません。
100MHzの外部バスが求められているのはこうした理由からです。
外部100MHzの場合、メモリーバンド幅は800MB/sec(64bit/100MHz)、
これだとAGP×2モードを最大限活用してもまだ272MB/secの余裕が
あります。 グラフィック処理以外の処理に必要なバンド幅は
100MB〜200MB/secだと言われていますので、これで何とかなると
思います。

> また、AGPにしても、ちゃんと環境がそろっての評価なのですか？
> Win95でのAGP使用には、OSR2.1、DirectX5、インテル提供のAGPドライバが
> そろって、はじめてAGPとして動作します。（これもわかっている人には
> 釈迦に説法でしょうが）

これも違います。 VP3にはVIAのVXDが必要です。 ちなみに、"ちゃんと
環境が揃って"とは現時点では言えないでしょう。 DirectDrawもGDI
コマンドもAGPネイティブじゃありません。 正式な環境が揃うのは
Windows98かWindowsNT 5.0からです。

ですが現時点においてもVP3のAGP/PCI周りは440LXのそれには遥かに
及びません。 ここの過去ログか、いくぽんさんのBBSか忘れましたが、
あんどさんという方がDxspeed BenchmarkというDirectDraw使用時の
システムメモリー→VRAM転送速度を計測するベンチマークでVP3を
計測してみましたが、残念な事にFill Rateは90MB/sec程度。 これは
440LXのAGPの半分の速度で、Intel系PCIバスよりも遅い結果です。

Windows GDIでの処理にしてもTom's Hardware Guide等を見れば
PCIに比べて大して変わらない事が解るでしょうが、この処理は
前述の通りAGPが不利ですので仕方がありません。

> しかし、不十分な環境での評価しか出てないで決めつけるのは
> どうかと思います。

さあ、少なくともここのパワーユーザーの方々はその程度の
常識は解っていると思いますよ。 第一DirectX5は誰でも手に
入れられますし、OSR2.1で提供される機能はメインメモリーを
VRAM代わりとして使うための機能であって、バスの転送速度
自体には特別に寄与するものではありません。

最後に、最初にも述べましたがAGPの目的はグラフィック用の
専用バスを持つ事です。 速度ばかりが重要視されていますが、
大切なのはこちらの方でしょう。

私がVP3で気に入らないのはメインメモリーとCPU間の転送速度です。
プロールさんのBBSにVP2との比較がありますが、両者とも1MBの
L-2キャッシュを搭載しておきながら、VP2の方が確実に速いです。

http://www2s.biglobe.ne.jp/~prole/cgi-bin/minibbs.cgi

Intel系に1MBのL-2キャッシュが搭載出来るようになったらさて、
どうなるか(笑)。