第四幕



[ このメッセージへの返事 ] [ 返事を書く ] [ home.html ]



投稿者: ditto @ ykha065.tky.3web.ne.jp on 98/3/08 00:52:15

In Reply to: 第三幕

posted by ditto @ ykha065.tky.3web.ne.jp on 98/3/08 00:50:30

(第四幕)

遠山は、即刻ソフト販売禁止令を発布した。しかし案の定反発は多かった。

プレステ町奉行・鴨居耀蔵(以下)「遠山殿、これは越権行為であろう。何故そなたにプレステソフトまで販売を禁止させる権限があろうか?」
「権限はござらぬ。しかし人の生死に関わる一大事故、越権を承知で行ったこと。そなたが休暇中で連絡をとれなんだことは、お詫び致す。」
「生死に関わる一大事!?例の百日ソフトのことかな。」
「左様。」
「遠山殿、冗談も休み休み申しては頂けぬかな。これまでの症例は全てサターンソフトによるもの。プレステソフトからは出ておらぬではないか。」
「しかし鴨居殿。今は出ておらぬだけかもしれませぬ。問題のソフトから見つかったプログラムはどのソフトにも混入の可能性ありとの調査結果が出ております。」
「それはただサターンソフトの製造管理体制がずさんなだけのこと。わがプレステソフトの無菌製造では、そんなウイルスのようなプログラムは混入することはありえん。」
「しかし...。」
「とにかく納得は出来ぬ。プレステソフトは販売を継続する。よいであろうな。」
「鴨居殿、お待ち下され。」
「ええい、これ以上の話は無駄だ。」




GESA(= Game Entertainment Software Association) 会長・上朋(以下)「御奉行様、なんですかこれは。新品の販売は禁止、しかし中古は例外?儂らに対する嫌がらせとしか思えませぬ。納得のいく説明をお聞かせ願おう!」
「百日ゲームの事件が解決するまでは、お待ち願いたい。」
「それはわかった。だが、中古の販売は良いというのはどういう了見であるかな?」
「中古ソフトは、その中身をユーザーによって検査済みとなる。もし百日ゲームがあれば、中古には出回らぬ。さらにその上、中古店にも売りに来たソフトは細かくチェックするように指導している。」
「それは新品でも、メーカーが出荷する前に検査すれば同じ事ではないか?」
「混入はどの時点で起きているのか不明だ。メーカー製造時点なのか、流通時点なのか、店頭販売時点なのか。それぞれの時点で全品検査をするならば話は別だが、店頭販売時点で検査のために開封してしまえば、それは中古ソフトということになるではないのかな。」
「くっ!ともかく一刻も早い解決をお願いする。」



「御奉行、お疲れでござる。」
「ああ、参った。多少横暴ではあったが、これ以上被害を拡大するわけには行かぬからな。しかし各メーカーの反発も強い、長くは続けられぬだろう。」
「その件でございますが、例のソフトにつき人体に危害ありと思われるプログラムを摘出することが出来ましたぞ。」
「そうか、早速もっと詳しく解析させよ。まずは、患者への治療法発見を優先。それから以降混入せぬように、ワクチンを開発させるのだ。」
「心得てございます。既に秋葉原の義一とかいうパーツ屋を使って開発中でございます。ここの店は、その筋では評判で。」
「義一!?どこかで聞いた覚えがあるな?」



しかし無情にも、このような遠山達の奔走にも関わらず、事件は一行に解決には向かってはいなかった。治療法やワクチン開発はもとより進んでおらず、その上...

「なんだとプレステソフトからも、ついに...。」
「はっ。」
「鴨居め、あれほど忠告したのに。」
「しかも新種のプログラムのようでございます。」
「なんてえこったい。」

To be continued

(注)この作品はフィクションであり。登場する個人・団体名は、実在のものとは何ら関係ありません。