第四幕



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投稿者: ditto @ ykha112.tky.3web.ne.jp on 98/2/14 01:57:28

In Reply to: 第三幕

posted by ditto @ ykha112.tky.3web.ne.jp on 98/2/14 01:54:27

(第四幕)

−化瑠戸屋−

化瑠戸屋主人・伴衛門(以下)「そろそろケリがついた頃ではないのか?」
「ロォーンブローゾー!儂の部下が報告に来るはずだ。あわてる必要はない。それよりも残りの金を早く渡せ!」
「そちらこそ慌てなくてもよかろう。お主と儂は、これからもお互い協力して行かねばならぬ。そんな儂が、約束を反故にするはずはなかろうて。」
「なるほどわかった。しかしこの世界に手を染めてから長い付き合いになるな。お主が殺しの依頼を仲介して儂に流す。儂はいわば、必殺仕事人といったところかのう。」
「ははは、この世には殺したい奴がいても自らは手の出せない立場の人間がごまんといる。そいつらの悩みを聞いてやっている儂は、正義のエージェントといったところかな?」
「わはは。...それにしても罵蔵の奴、遅いな。何を道草しているのだ。」
「待ち人来たらずと言ったところかな?」
「な、何!?」
「だ、誰だ!?」
ゲーマーの金治(以下ゲ)「ゲーマーの金治て言うケチな遊び人よ。しかし、てめえらのような悪どい遊びはしたことがねえぜ!
何が必殺仕事人だ!
何が正義のエージェントだ!聞いてヘドが出るぜ!」
「ロォーンブローゾー!知りすぎてしまったようだな、生きては帰えさん!」
「者ども!出会え出会え出会え!」
悪人面した浪人者が多数出て来た。

「俺を斬ろうってのかい?おもしれぇ、だがなこの背中の土星、斬れるもんなら斬ってみやがれってんだい!(と言って背中の入れ墨を見せる)」
「このヤクザもんが。皆の者ひるむな、斬り捨てい!」
「おう!」

ガキーン!
「金治よう!助太刀に来たぜ!」
ガキーン!
「最近すまねえな末吉! おっと、俺はあいつを捕まえて来る。ここは頼んだゾ!」
「おう、任せな!」

「おっと首領さんよう、知らないようだから教えてやろうか?お前の部下の罵蔵とか言う奴は、既に奉行所にとっ捕まっちまったぜい!」
「ロォーンブローゾー!馬鹿な、奉行所の奴らに儂の出した謎が解けるはずがない!」
「確かに奴らには解けなかったが、パープルムーンには簡単だったようだぜ!」
「ロォーンブローゾー!なんと!」
「その上、てめえらが雇った刺客は、一人残さずパープルムーンにやられちまったとさ!」
「ロォーンブローゾー!ぬぬぬ、あれだけの数雇ったのに役立たずめが!」
「いい加減、その口癖にも飽きてきたな...。」
「ロォーンブローゾー!なんという侮辱!」
「うるさい!」
バシっ!
「ロォーンブ...!」バタリ...
「安心せい、峰打ちだ。」

「こうなったら三十六計に逃ぐるにしかず!」
「おおっと何処行くんだい。」
「ええい邪魔だ。」
「いくら急いでも、お前さんの行き場所はここしかないさ。」
バシっ!
「うぐ...!」バタリ...
「安心しな、死ぬようなことはないぜ。」

PPPPP〜〜〜
「静まれ静まれぃ!サターン町奉行所の者だ!皆の者、神妙にいたせ!」
「おっと、後は任したぜ。」
「俺もそろそろずらかるとするか。」



−サターン町奉行所−

「サターン町奉行・遠山左右衛門之丞様、ご出座!」
サターン町奉行・遠山金三郎「さてこれより、"さんばし"の一件および下野屋押し入りの一件につき吟味を致す。皆の者、面をあげよ!」
「化瑠戸屋・伴衛門!その方、隣に座っている血祭組首領の那蔵と組み、殺人の依頼を一手に引き受けていたこと、これに相違ないか?」
「御奉行様も大した夢想家でございますなあ。なんで善良なる私めが、そんな大それた事を。おお...考えただけでもそら恐ろしや...。」
「では、そこの那蔵というものは知らぬと申すのだな。」
「この者は、我が店のただの番頭でございますよ。」
「ロォーンブローゾー!化瑠戸屋の番頭でござる。」
「...、で、では証人をここへ!」
罵蔵が連れてこられる。
「首領!申しわけございません。不覚にもパープルムーンにおくれをとってしまいました。」
「ろ、ロォーンブローゾー!そんな奴は知らぬ。」
「しゅ、首領!そんな殺生な!」
「知らぬものは知らぬのだ。」
「御奉行様ぁ、強引に人を悪人にしちゃいけねえですよ。」
「左様でござる。」
てめえら、いい加減にしやがれ!
「ん?」
「天知る・地知る・人が知る!てめえらの悪事ぃ、この背中の土星が知ってんだよ!(といって背中の入れ墨を見せる)」
どっしぇぇぇぇい!ロォーンブローゾー!あの時の!
「(着直しながら)化瑠戸屋・伴衛門ならびに血祭組首領那蔵!市中引き回しの上、死罪!また、その配下の者どもは遠島申しつける。引ったてぃ!」
一同「はっ!」

「パープルムーンは残念ながらひっ捕らえる事が出来ませなんだが、化瑠戸屋からは殺し依頼の顧客名簿が押収できました。これは大きな収穫でございます。」
「うむ、これで安辺の一件やその他の迷宮入り事件の謎も解けるかもしれまいて。」
「左様でございます。」
「では今日はこれでお開きとしようか。」
「ん?」
「どうかしたか脇坂?」
「いえ..いつものやつはやらないのでございますかな?」
「そ...それであるがな。今日はちと気が引けるのじゃ...。」
「はあ?」
「というのもな、初めと終わりだけに申しわけ程度に出てきて、アレをやるというのも烏滸がましいでな。」
「そんなこと誰も気にしてませぬ。3回も続けてやっていない上に、今日やらないと、主人公の座を自ら放棄することにもなりかねませぬぞ(^^)」
「そ、それは拙いな(^_^;)」
「で、ございましょう。」
「では、気を取り直して...これにて一件落着!



んで、その後の綾姫がどうなったかというと...
藩主・一成(以下)「これ塚原!綾は何処へ行ったのだ?」
「そ、それでございますが...」
「城を抜け出して、町へ遊びに行ったと!?このところ妙に大人しかったので安心していたのだが、しょうがない奴だ。下世話な遊びでも覚えてなければよいが。」
正室・千寿の方(以下千)「まあよろしいではありませんか。あの娘は、お淑やかにしている方が、むしろ不気味で不自然。今しばらくは、好きにさせては?」
「そういうものかな?」

何はともあれ、綾のレギュラー化決定のようで...(^^

おしまい

(注)この作品はフィクションであり。登場する個人・団体名は、実在のものとは何ら関係ありません。