第四幕



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投稿者: ditto @ ykha124.tky.3web.ne.jp on 98/1/31 23:56:05

In Reply to: 第三幕

posted by ditto @ ykha124.tky.3web.ne.jp on 98/1/31 23:53:01

(第四幕)

−再び越後上杉藩・江戸屋敷−

「爺! 爺はおるか!?」
「姫様!これはご無事でなにより。何か用事でございますかな?」
「爺やはパープルムーンとやらを知っておるか?」
「ぱ、パープルムーンでございますか!?は、はあ、まだ見たことはありませぬが、噂だけなら幾度か。しかし、なぜいきなりそのようなことを?」
「さっき、町で見たのじゃ!」
「な、なんと!それは珍しき者が見れたでございますな。喜ばしいことで。」
「何が喜ばしいものか!わらわは不愉快じゃ!」
「不愉快とは....?」
「爺...、わらわとそのパープルムーンとやらとどちらが強いと思う?」
「(げげげ<゜_゜;>)そ、そ、それはもう、ひ、姫様の方が...。」
「本当か!?(ー_ー)」
「は、はあ、恐らく...いや多分...もしかすると...。」
「段々、自身がなくなっていっておるではないか。」
「正直申し上げますと、パープルムーンとやらは見てはおりませんので、何とも比べようがありませぬ。」
「そうか。...ならこうするしかあるまい。」
「姫様...もしや...。」
「そのもしやだ。パープルムーンと直接決闘すればどちらが強いかすぐにわかる。」
「なりませぬ!それだけはおやめ下され!姫様にもしものことがあれば、父上に申しわけが立ちませぬ!」
「勝てばよいのじゃ!わらわの腕は爺が一番よく知っておるではないか、負けはせぬ!」
「しかし...。」
「心配するな。奴に勝てば、もう剣の修業はやめにする。茶でも花でもなんだってやってやるから。」
「そのお言葉、本当でございますな。」
「わらわに二言はない。いくぞ支度をせい。思い立ったが吉日、今夜決行だ!」




−その夜四つ頃、サターン町中−

とある屋敷、薄暗い行燈の光の下で二人の男が何やら話をしている。
「ほれ、約束の三百両だ。」
「ロォーンブローゾー(?)!儂らに任せれば不可能など無い。」
「そうか、ならば次の依頼だ。」
「まずは金だ。金を見せい!」
「せくな。ここに五百両ある。」
「確かに。しかし五百両かけても命をとりたい奴がおるとはな。誰だそいつは一体?」
「...サターンの星・パープルムーン。」
「ロォーンブローゾー(?)!それはなんと!」
「どうだ、出来ぬと申すかな?」
「儂らに不可能は無いと言ったではないか!」
「ならば、頼んだ。やってもらおう。」
「待たれよ!儂が気にしているのは金のことだ!」
「金!?五百両では足りぬと申すか?」
「そうだ。相手がパープルムーンとなれば、準備を整えねばならぬ。頭数も相当必要だ。五百両では割が合わぬ!」
「ならばいくら必要というのだ。少なくとも千五百両!」
「馬鹿な!千五百両では、こちとて割が合わぬ。」
「まあお主との仲だ。千両に割り引いても良い。」
「まだ高い!パープルムーンは、お主達にとっても邪魔な存在であろう。七百五十両で手をうたぬか?」
「ロォーンブローゾー(?)!一理ある。よかろう。早速、種を蒔くか。」


−同じ頃−

「しかし姫様、いったいどうやってパープルムーンをおびき寄せるつもりですかな?」
「話によると、ミネルヴァとかいう飼い梟が偵察をしているそうだ。だから何か悪事を起こせば、梟がパープルムーンを連れてくるってことだ。」
「何か悪事でございますか...。」
「場所は人目のつかぬ堀の側の材木置き場を選んだ。さてと、手っ取り早くやるぞ。爺、わらわを襲うのじゃ!」
「え!?(◎_◎)。し、しかし、儂はもう...。」

ポカッ□★\(.. )

「こりゃ!何を本気にしておるか。襲うふりをするだけでよいのじゃ(怒)!」
「そ、そうでございますな...ふりをするだけですな...しかし...。」
「しかし?何じゃ!」
「本気でやらないと、パープルムーンに芝居だと見破られてしまうのでは?」
「うーむ、一理ある。...
って、何言わすんじゃい(怒)!
「ひ、姫様。お気を確かに。」
「ええい。冗談にも程がある!」

「何やら愉快な人たちね。」
「ん???ああああ!」
「おまえは!」
「パープルムーン!」
「お捜しのようだから、リクエストに応えて登場してあげたのよ。」
「ち、ちと...早すぎるのでござらぬか。これから姫を襲い、失敗して他の奴に見つかって、逃げて他の場所でまたやって失敗して、もう一度チャレンジという頃に出てきて貰わねば、わっしの楽しみが (I_I)」
「これ!何を考えとんじゃい(怒)!

「(姫!?)...ここまででも普段より長いんだから、いい加減に終わらせないと仕事に差し支えるの(誰が!?)」
「ええい!この御都合主義の権化め!」
「てっとり早く済ませましょう。私に何の用?」
「ここで逢ったが百年目!勝負だ!」
「何故、私と勝負をしたがるの?」
「知れたこと!この世に無敵は二人と要らぬ。わらわとおまえのどちらが日本一か勝負をするのだ。」
「...くだらないわね。そんなこと決めても何の意味もないわ。」
「臆したかパープルムーン!いざ尋常に勝負せい!」
「何を言っても聞きそうにないわね。仕方がない...。」
「そうそう、それでいいのだ。」
「でも一つ条件がある。無駄に人の命を奪いたくはない。あなたもそうでしょう?真剣での勝負は御免だわ。」
「ふ...そうか。おい爺!竹刀を2本持て!」
「はっ!」
「木刀でも、打ち所が悪ければ死に至らしめることもある。が、竹刀なら間違ってもそのようなことはあるまいて。
 よし、仕切直しだ!勝敗は2本先取で決める。いいな!」
「わかったわ。」

See you next week!

(注)この作品はフィクションであり。登場する個人・団体名は、実在のものとは何ら関係ありません。