試験的連続小説「闇に魅入られて」



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投稿者: イド・ダイスケ @ ksgy1DU22.stm.mesh.ad.jp on 97/10/11 00:33:46

           闇に魅入られて
              一
「こんにちは、お嬢さん。いやこの場合、こんばんはかな?」
 俺は目の前にいる少女に向かってにこやかに挨拶をした。
 少女は驚きで目を真ん丸にして俺を見ている。まあ無理も無い、誰だってこんな真夜中に、窓の外から話し掛けられたらびっくりするだろう。まして、そこが二階だとしたら・・・・・。
「あなた、誰なの」
 へえ、俺の姿を見て叫び声をあげないどころか、話し掛けてくるなんて。なるほど、これなら納得できるな。あの美しい魂の輝きも伊達ではないようだ・・・・・。
「答えなさいよ!」
 おっと、怒鳴られてしまった。見かけの割りに気丈な少女だ。
「誰だと思います?」
 逆に尋ねかえす。あくまで、にこやかに。
「その黒ずくめの服装からして・・・・・まさか吸血鬼とかいわないでよね」
「正確には違うけれど、まあ似たような物かもしれませんね」
バタッ!
「あっちょっと話を・・・・・」
 ひどい、なにもいきなり窓を閉めなくても・・・・・話ぐらい聞いてくれたっていいじゃないか!
「あの、開けてくれませんか」
コンコン、しかし窓は閉じられたままだ。まずいな、こんな所でぐずぐずしてはいられない。
「おーい、ねぇ開けてよぉ〜」
 うぅ、我ながら情けない、思わず地が出ちゃってるし、人には見られたくない姿だ。
「ねえ、ちょっと、話を聞くだけでもいいから」
 うっ、涙が・・・・・。悲しすぎる、いつもは美形で売ってるのに・・・・・。
バタッ!
 その時、突然窓が開き涙目になっていた俺の顔めがけて何か白い物が飛んできた。ベチッ!
「いった〜〜い!」
 何なんだ一体。
「吸血鬼なら、今のでさっさと退散しなさいよ」
「お嬢さん、いきなり何をするんですか? 」
 再び開かれた窓の奥で、少女が何かを持って身構えている。少女にむかって俺は、痛む鼻を押さえながら、努めて冷静に尋ねる。
「今のは一体なんです?」
「吸血鬼といったらニンニクに決まってるでしょ!さあ、さっさと蝙蝠にでもなって何処 へでも飛んでいきなさいよ」
 うーむ、得体の知れないこの俺に向かってここまで言うとは・・・・・。
「残念ですがお嬢さん、私は吸血鬼ではありませんし、ニンニク料理は大好きです。私はあなたに危害を加えるつもりではありません。どうか話だけでも聞いて、できれば部屋の中に入れてくれませんか」
「誰が、あんたみたいな得体の知れない奴を!」
 うーん、正論かも・・・。
「得体の知れないとは心外ですね。別に怪しい者ではありませんよ」
「怪しすぎるわ!」
 うん、俺もそう思うよ、実際。これほど怪しいやつはなかなか居ないね。いや、別に自慢できる事じゃないけどさ……。
「どこがです? ちょっと空が飛べるだけの、そこら辺にどこにでもいる美形な好青年じゃないですか」
 澄ました顔で、俺は反対に質問する。もちろん、無理がある事など承知の上だ。まあ、美形な好青年っていうのは本当だけどね。
「全部よ! 全部! 空中に浮いてる事も、全身、上から下まで黒装束な事も、何もかもが、これでもかってほど怪しいわ! 大体、好青年なら自分の事を美形とか言ったりしないものよ!」
 少女は、右手の人差し指をビッと俺に突きつけ、一気にまくしたてる。
「では、ちょっと変わってる美形な人でも結構ですから、とりあえず部屋に上げてください」
「こっちが結構じゃない!これ以上しつこいと、警察を呼ぶわよ!」
 やはり彼女は聞く耳を持ってはくれないようだ。
 くそっ、これ以上時間をかけられない。といって、力ずくで如何こうする訳にもいけないし……。どうしよう?……。

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っと言う訳で、とりあえずここまで書いてみました。
この文書は、僕が高一の時に書いたものを、ほとんど
変更せずに、書き足しただけで載せてみました。
ご意見、ご感想お待ちしてします。

さて、これからどうしよう……(汗)

だい