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四日市 @ jnCliB-141.ppp.justnet.or.jp on 97/6/30 21:00:27
In Reply to: ポケット六法読んだけど・・・(教えて法学部!)
posted by くれじじ @ cckgo.cck.dendai.ac.jp on 97/6/30 13:04:36
> 昨日ポケット六法開いたのですがイマイチわからんです。
> えーと20歳未満が「少年」で18歳未満に死刑がなく
> 刑事裁判は14才以上だけど16才未満は検察に送れない?
> わけわかんねー!!
>
> でもあの少年は1番重くて少年院送りらしい。
> 氏名公開含めてこの法律見直したほうがいいと思います。
> オヤジ狩りといい最近のガキ大人より凶悪だよ。
> 健全に育成するために非行を矯正って範囲じゃないぞ
刑事法は専門外だから責任ある返事は出来かねますが、一応、簡単な説明を書い
ておきます。
刑法41条により、14歳未満の者は刑法上の罪に問われないことになっていま
す。どうして問われないかと言いますと、それは以下のような理由によります。
そもそも刑罰が科せられるのは、「違法行為の代わりに適法行為を決意すること
が出来たにもかかわらず、違法行為を決意したこと」が非難されるべきであるから
です。従って、刑罰を科すには、「自己の行為が法律上許されているか否かをわき
まえ知ることが出来、それに従って自己の行為を制御する能力」があったとことが
必要になります。これを責任能力といいます。
そして、14歳未満の者は一律に責任能力がないとされます。(刑法41条)。
それは、少年は精神の発育途上にあり特殊な精神状態を呈することがあるから、一
般的に、自己の行為が法律上許されているかをわきまえ知る能力やそれに従って自
己の行為を制御する能力に欠けているとともに、仮に実質上このような能力がある
としても、人格を矯正できる余地が大きいから、刑法上の刑罰よりも、少年の健全
な育成のための必要な保護を与える方が適当であるという考えに基づいています。
以上のように、14歳未満の者は刑法上の責任を問われないことになっているわ
けですが、さらに少年法の手続きの関係で、16歳未満の者には、実際には刑事処
分はできず、従って、刑法上の責任には問われないことになっています。
未成年が刑事事件を起こした場合、まず家庭裁判所に送られます。そして、家庭
裁判所が事件の性質上刑事処分が適当であると判断して、検察庁に送致した場合の
み、その未成年は刑事責任を問われる手続きに入ります。しかし、16歳未満の者
は検察庁に送致できないとされています(少年法20条)。従って、16歳未満の
者については、刑事責任を問う手続きに入れないことになり、結局、刑罰を科すこ
とが出来なっています。この少年法20条の趣旨は、実質的には、刑法41条の年
齢を引き上げる趣旨であると言われています。
以上の理由により、今回の事件の容疑者である少年には、刑罰は科せられないの
です。
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