車検場にマシンを置いてピットに戻ってきた久遠寺は乱暴に
ヘルメットを投げ捨ててモーターホームにこもっていた。

　一時間ほど経って気分が落ちついたのだろうか、いつもの和服
（今日は薄浅黄の振り袖）に着替えて出てきたところのインタビューである。

インタビュアー、白石右京（以下、右）
「ポイントゲット、おめでとうございます。
　今回はチームメイトの四日市選手が優勝されましたし」
阿知花（以下、阿）
「だから怒ってるのよ」バン！と机を叩く。
右「・・・。今回の優勝で、阿知花さんにも勝てるチャンスが有ることが証明されたじゃないですか」
阿「それを証明したのがあたしじゃなかったのが悔しいのよ！」

　一瞬の間

右「でも、今回も阿知花さん、トップを激走したし、次のGPもチャンスが有るんじゃ・・・」
阿「そんなこと言ってたらすぐに変えられちゃうわよ。
　　結局勝てるマシンを無駄にする事なんてF1では許されないの」
右「そうですか？まだデビューして３戦だし、まだまだこれからじゃ・・・」
阿「そう・・・あたしも最初はそう思ってたの。でもそれじゃもう満足できない。
　　チームにも迷惑だし、自分が納得できない。
　　・・・せめて次は最低でも表彰台に登る。誓ってもいい」
右「・・・次、絶対に頑張って下さいね！」
阿「うん・・・」
　
プレイヤーコメント
　ちょっと、不本意な順位が続いています。
　次は「どんな手を使ってでも」３位以内をゲットタイム（違う）ゲットします。
＃まあ、出場停止になるようなことはしないけど。