性的表現が入る事によって面白くなったゲームよりも、
性的表現だけを商売道具にした粗製濫造ソフトの方が
明らかに多いウインドウズ市場を見れば、ソニーや
任天堂が性の介入を阻む理由はおのずと見えましょう。

コンシューマハードで性の垣根をとりこわそうとしたセガの
大英断には拍手を送りますが、結果を見れば、
やはり時期尚早だったという感は強くあります。
性欲処理を眼目に置いたソフトがあまりに多い。
そしてその影響力があまりに大きい。ゲーム産業の
未成熟さを計算できなかったのがセガの誤算です。

「あらあかわいいゲームね、ミホちゃんは、かわいいの
大好きよね」とＰＩＡキャロットを小さな女の子に買い与え
ようとした若い母親を目撃しました。レイティングなど、
まるで見ていない。自分は固唾を飲んで見守りました。
プレイステーションのゲームではなかったので、この親子は
不幸（この油断した母親がＰＩＡキャロットを購入する事が
不幸である、という部分において反論ある方とはもはや
議論の余地なし）をぎりぎりのところで回避できました。
１８歳以上のマークがあるだろうと言いますが、あんな
小さい表記では見落としても仕方が無い。
サターンならではの約束ごとを、知らない人間に教える
のには、あまりに役不足です。

この業界、クリエイターよりも商売人の方があきらかに多く
います。最近、とくにそれは顕著ではないかと。
クリエイターのみなさんには悪いのですが、悪劣な商売人
を排除した市場でも自己の作品を十分にアピールできる、
高度な表現能力を持つべきでしょう。まだまだ道はあります。

ゲームは、もともとオモチャです。メディアではなかった。
メディア化への反対をするものではありません。
しかし、世間にはまだまだ「ゲームはオモチャだ」の固定
された認識はしっかりとあるし、オモチャとして燦然と輝く
ゲームもまた、いっぱいあるのです。

ＥＶＥとセガラリーの間には、深い河が流れています。
その河を埋め立てる事に問題のない筈はありません。

プレイステーションはそのあたりの分化をゆっくりと、
時間をかけてやっているようですね。「天誅」には
残虐行為警告がでかでかとありました。
見切りで判断すると、大変な結果になるとソニーは
分かっているのでしょう。いずれ市場を完全に制覇すれば、
ある種の打開策をソニーは打ち立てるかも、と、
セガファンの私は「ああくやしいああくやしい」とばかりに
ながめています。