上の続きです。(ネタバレかつかなりの長文)



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投稿者: Minoru @ beagle.mtl.t.u-tokyo.ac.jp on 98/3/05 17:14:06

In Reply to: 私もクリアしましたが、、 (長文)

posted by Minoru @ beagle.mtl.t.u-tokyo.ac.jp on 98/3/05 14:49:06

上のメッセージの続きです。
すでに「白き魔女」をクリアされた方を前提に
書いております。よって、強力にネタバレです。


コンプリートされた方は、
シナリオの骨格に当たる部分は御存知のはず。
「白き魔女」は軽やかに始まるライトファンタジーとは
思えぬなんともやり切れるストーリです。

原作は実際問題としてこの部分のために色々な伏線を
張っていました。

まず、マニュアル。
原作のマニュアル中にはティラスイールに残る「伝説」が
紹介がされています。
この中でガガーブは「西方からの侵略者が襲った時に大地が
裂けてティラスイールは守られた」奇跡だと説明されています。

次に、
序章のラッピク村でシャーラはバラードを歌うんですけど、
この歌詩はラストシーンの伏線になっております。
(「大地に刻まれた僕たちの罪」)

つまり千年前のできごとを、
被害者であった異界の人々は今も忘れないで「この世界」に対する
憎しみを積もらせているのに、加害者の「この世界」の人々は
(わずかに叙情的な唄の中に残るだけで)きれいさっぱり忘れて
ガガーブに関する歴史も捏造していた、
というのが大きなバックボーンなわけです。

ゆえに、イザベラやレバスが単なる敵の親玉であることを
越えたキャラクターを持ち得るわけです。
自分の世界を救うという大義のため、手段を選ばず、心を鬼に
してラウアールの波を呼び、
そして、(個人的見解ですが)
ラウアールの波が本当に呼び出されたときには、自分たちが
滅ぼす「この世界」に自らも殉じる覚悟であったろうと思います。
(逃げようがないですから)

しかし、
SS 版はイザベラやレバスは人間とは思えぬ容姿に描かれてだけでなく、
シナリオの上でも、
デュルゼルが語るフォルティア王とイザベラとの出合いの節や、
イザベラが戦闘前に「自分の生まれた世界のために戦う」という決意が
削られていて、彼らの印象を著しく弱めています。