Re: 沢山のご意見有り難うございました(長文)



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投稿者: BLAST HAMMER @ ppp347.246.ne.jp on 98/3/04 02:14:18

In Reply to: 企画をされている方へ(長文)

posted by BLAST HAMMER @ ppp403.246.ne.jp on 98/3/01 16:18:56

先日は、セガのBBSなのにも関わらず、全然関係ない事を書き込んで
しまいまして本当に申し訳ありませんでした。
先週か先先週、こちらの書き込みを読んでおりましたら、外注の企画屋について
結構厳しい意見がありましたので、それらに沿って自分なりの意見を元に、経験談を
お話したかっただけでした。
不快に思われた方に対しましては、非常に申し訳なく思っている次第です。
この場を借りて深くお詫びします。大変な失礼を致しました。


様々な、貴重なご意見を頂く事もできました。
ご意見をお寄せいただいた方には、感謝の意を表します。

中でも「こうさく」さんのご意見には深く考えさせられる部分が
多々ありました。
こういう事を書くのは、身内の恥を晒すようで大変恐縮なのですが、
我々現場の人間は、まったく関係のない(面識のない)人間に干渉されるのを
極端に嫌がる事が多いです。
「外注の企画屋」という時点で、必要以上に構えてしまい、打ち解けようと
する努力を怠ってしまう傾向があります。
ましてやその企画屋さんが、ディレクターとして我々に指示を与えるとなると、
その構え方にもいっそう力が入ってしまうんです。
何の問題もない企画兼ディレクターの時でこれですので、これが我々で
言うところの「無能なディレクター」だったりしたら大変です。
何というか、こういうことが本当はあってはいけないのですが・・・

私は、ゲームはチームワークで作るものだと思っています。
しかし、作っている段階からこんな感じでは、人を楽しませるゲームは
できないんじゃないか、と思う事しきりです。
こうさくさんは、人間関係にカベを作っているから、双方理解する
努力を怠っているからとおっしゃいました。
そのとおりだと思います。
私としても、会社内部の人間と外注の企画兼ディレクターとが
同じグループ内で分裂してほしくはありません。
その人間関係の維持に対して努力をして、報われるようなディレクターと
仕事がしたいな、と常々感じています。
報われないと感じたら、やはりその努力を怠ってしまうでしょう。
非常に悲しいことなのですが・・・

企画として出向し、ディレクターとなって人を指示する人は、それは
難しく苦労の多いものだ、ということを改めて認識して欲しいです。


ヌワンダさんからも、大変貴重なご意見を頂きました。
ヌワンダさんのような方が、企画屋に増える事を本当に切望します。
我々が待っているのは、あなたのような方です。
あなたの希望が形になることを心より願います。
固い信念を以って、貫徹してください。応援します。頑張って下さい。


それから「今後も頑張って下さい」さん。
一つだけ言わせてもらいたい事があります。それは、
「ディレクターは我々よりも立場は上だが、企画は我々と同等である」
ということです。
企画がディレクターを兼任したときに発生する問題は様々なのですが、例えば
その企画兼ディレクターが言った意見が、企画者としての意見なのか、
はたまたディレクターとしての意見なのか、どっちなのか、という問題があります。

多少の疑問を感じても、ディレクターの言う事ならば黙って製作を続けることは
できますけれども、企画者がディレクターの権限を振りかざして自分の意見を
通そうとしているのが解ってしまう時があるんです。
それが納得いかないものであったりする場合もよくあり、私はこれが許せないんです。

確かに、ユーザーの要望のうちの一つ一つだと考えることもできます。
ですが、大幅にスケジュールを変更してまでそれをする必要が本当にあるのかどうか、
というものもあります。
やはり、スケジュールは絶対的なものなので、これだけは簡単に破るわけには
いきません。
余計なイベントが増えると、それだけチェックする項目も増えます。
それら全てを企画の方やディレクターがやって下さるなら喜んで作りますが、
現実はそうではありません。
企画の方は、自分の分野外だと頭から拒否し、ディレクターは指示するだけに
回ります。意地悪な言い方をすれば「言い逃げ」をするわけです。
やって最終的なデバッグぐらいでしょうか。でもそれは、ゲームの事を何にも知らない
一般の方でもできることですよね。

私は限られた時間を、そんな余計に増えたイベントのチェックにあてるよりも、例えば
CD−ROMのデータの配置をあれこれ変えて、読み込むスピードを上げたりして、
ユーザーがゲームの進行に関して、なるべくストレスを感じないようにすること等に
使いたいんです。
どんなに素晴らしいイベントだとしても、読み込みに数十秒かかったりするようでは、
ゲームとして成り立たないですよね。
私が普通のユーザーの立場だったら、やはりそんなゲームには手は伸びないですし。


こうさくさんは「不完全・未完成なゲームはない」とおっしゃいました。
確かにそのとおりです。
「ゲーム」として「不完全・未完成」な部分を完璧に仕上げる事は、人間である以上、
絶対に無理です。そんなことは百も承知です。

しかし、プログラムの部分に関して言えば、基本的に不完全は許されません。
バグがある、というのはもってのほかで、なくて当たり前でなくてはなりません。
プログラマとしての私が言う「不完全・未完成」というのは、先ほども述べましたが、
プログラマとして仕事が完成されたかされてないか、ということなのです。
企画の方(更にディレクターを兼ねたりされている方)は、ゲームそのものの
出来不出来だけを考えているふしが本当によく見受けられます。
実際、こうさくさんの書き込みから察すれば、こうさくさんもそういう方なんだな、
という感じがしますね。
企画兼プロデューサーの方のようですので、仕方ないのかもしれませんが・・・

我々プログラマは、ゲームの出来不出来以前の問題として、考える部分があり、
戦っている部分があり、気にしている部分が山ほどあります。
そういう部分に対して、我々は限られた貴重な時間を使いたいのだ、ということに
是非目を向けて、そして理解して欲しいな、と切実に思います。

全てが終了してしまって、
「あ、あそこはもっとこうすれば2.5秒は早くなったかも」
とふと思うことがあります。
そういう時、大変悔しい思いをします。
私はそういった悔いを、自分が関わったゲームに対しては残したくないんですね。

やはり、「やりがいのあった仕事だった!」「すべてを出し切れた!」
と満足させてくれるようなディレクターに、私は指示されたいです。

ただ企画をやってるからというだけで、そのまますんなりディレクターにもなれる、
というのはやはり間違っていると思います。

人を指図するのに、きちんとした理由を言えない人は、やはりディレクターには
なるべきではありません。
指図する方は、同じ事を他人から言われて、はたして自分が動けるか、というのを
常に頭に置いて指図して欲しいと思います。
これはディレクターに限らず、人の上に立って仕事をする人全てに言いたいです。

それから、倒産したときのひどい外注の企画の方は、「(例えば)〜でいうところの」
という言い方をよくしていました。
私はゲーム業界では珍しい部類に入るのかもしれませんが、漫画やアニメを殆ど知りません。
映画は結構観るほうですが、映画で喩えてくれるならまだしも、私の知らない漫画や
アニメで喩えられても、さっぱり理解できないんです。
私の勉強不足である、というのも分かってはいるのですが・・・
そういう人もゲーム業界にはいるんだ、ということを理解して企画をされている方は
説明して欲しいなと思います。


BLAST HAMMERでした。