以下の説明には多分何個・何十個もの嘘がありますが、「ここは 嘘かもしれない」と注釈を付け出すと、全部に注釈を付けるはめに なるので、略。ツッコミは歓迎します。 まずは基礎知識。 プロセスにはいくつかの状態がありますが、簡略化して、以下の4つを考えます。 実行状態 … まさに CPU がそのプロセスの処理をおこなっている状態 実行可能状態 … CPU は同時に複数の処理をできないので、CPU が現在 実行しているプロセスの処理を終えるまで待っている状態 入出力待ち … ディスクに書き込む/読み込む命令を出した後、ディスク コントローラからの「終わったよ」という知らせを 待っている状態 sleep 状態 … sleep を使っているか、デバイスやソケットを見張っている (listen や select や read している) が、まだデータが 届いていない) 状態 プロセスは必ず上記のうち1つの状態を取ります。 さて、本題。 load average というのは、ある瞬間の「実行可能状態のプロセスの個数」 の平均です。個数ですから整数なんですが、平均を取るので、0.12 などと いった小数になります。 例えば 0:00:00 の時点での実行可能状態のプロセス数が3 0:00:01 の時点での実行可能状態のプロセス数が0 0:00:02 の時点での実行可能状態のプロセス数が1 なら、load average は 4/3 = 1.33 です。これは3秒間だけプロセス数を 数えましたが、最近1分、5分、10分のそれぞれのプロセス数の平均を 取ったものが、top や uptime で表示される load average です。 つまり、 - load average が 1 なら、常に CPU が何かしらの処理をしている。 CPU が遊んでいる時間がない。 - load average が 1 未満なら、実行可能状態のプロセスがない 瞬間がある。その間、CPU は遊んでいる。 - load average が 1 超なら、実行可能状態のプロセスが多く、 待たされているプロセスがある。 ということです。 # あくまでも平均なので、本当はそうでない瞬間が多くあるでしょう。 だからといって、1 を閾値 (いきち) として負荷が低い/高いと 言っていいかというと、多分違うと思います。 なお、 A.「変数を1ついじくって 1秒 sleep する」という処理を永遠に繰り返す というプロセスと、 B.「変数の内容を1増やし続ける」という処理を永遠に繰り返す というプロセスでは、負荷が全く違います。 A は、実行可能状態から実行状態に移ると、変数を1ついじくって、 すぐに sleep 状態に入ります (実行可能状態でなくなる)。1秒経つと 再度 実行可能状態に移ります。 B は、実行可能状態から実行状態になると、変数の内容を1増やし 続けます。一定時間が経過すると、カーネルが強制的にプロセスを 実行状態から実行可能状態に戻します。 B のようなプロセスを実行すると、load average は大体 1 だけ 上がるはずです。なぜなら、B のプロセスは入出力待ちも sleep も しないため、「常に実行可能状態になり得るプロセス」だからです。 たとえば C でもシェル上でもいいので、無限ループするだけの プログラム % while (1) while ? end を実行すると、load average が大体 1 上がり、もう1つ同じのを 実行すると さらに 1 上がるでしょう。 |