ユーロロック紹介(英国編)part3: EL&P

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投稿者: 虚無僧三郎太 @ tpro2.tky.threewebnet.or.jp on 97/6/28 00:59:36

ユーロロック紹介(英国編)part3: EL&P

 中心人物はやはりK.エマーソンと考えるべきEL&P。とすれば、King Crimsonから派生したバンドというよりはむしろ、同じトリオ構成のNiceの進歩系と見たほうがいいだろう。

「Emerson, Lake & Palmer」
 Niceのキーボード・K.エマーソンとKing Crimsonのヴォーカル&ベース・G.レイク、Atomic Roosterのドラム・C.パーマーにより、1970年6月に活動を開始する。ロックを基本にクラシック、ジャズを融合した音楽は、まさにプログレの本質。本作品では3人のそれぞれの才能が見事に開花している。

「Tarkus」
 注目はA面の組曲Tarkus(もうA面と言う表現はしないのかな?)。この作品でK.エマーソン=ハモンドという図式が出来上がってしまった。

「Pictures at an exhibition」
 彼らの代表作であり、日本での人気を決定づけた作品。クラシックのロック風アレンジは、今でもときおり見られるが、ここまで見事に融合・調和した例はない。この勢いでEL&Pは、1972年に初来日を果たす。私は噂でしか聞いていないが、嵐の後楽園球場でのコンサートは、いまも伝説となっている(嵐の後楽園と言えば、、前年に行われたグランドファンクレイルロードのコンサートの方が有名のようだが、よくよく嵐に見舞われるものだ)。当日は東京12チャンネルにより録画中継が行われたそうで、その人気の程がうかがえる(生ではないが当日放映)。

「Trilozy」
 名作の間に挟まれてちょっと影の薄い作品。個人的にはあまりおすすめできない。

「Brain salad surgery」
 邦題「恐怖の頭脳改革」。まさにEL&Pの集大成といえる「悪の教典」は、K.エマーソンが持てる力の全てを出し尽くしたと言える名曲。ぜひ皆さんに聞いて貰いたい作品。

 で、実は私はこのあとの彼らの作品をほとんど聞いていない。次作「Work」を発表するまでに4年を空白期があるが、「Brain salad surgery」で燃え尽きた感があり、メンバー個人個人がそれぞれの音楽を求めてしまっており、輝きは既に失われてしまっていた。
 私はプログレの醍醐味はアンサンブルにあると信じている。各人がてんでバラバラの状態では、仮に個人の演奏技術は優れていたとしても、すでにプログレではないと考えている。
 その後EL&Pは、78年に「Love Beach」を発表するが、過去の栄光にしがみついたような作品で、うやむやのうちに消えていくことになる。
 
 次回は、英国編part4、yes。


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