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ユーロロック紹介(英国編)part10: Pomp Rock
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投稿者:
虚無僧三郎太 @ tproxy.tky.threewebnet.or.jp on 97/7/26 00:52:25
ユーロロック紹介(英国編)part10: Pomp Rock
British Rockの歴史を綴りなおしてみると、Pomp Rockなるものはもうその存在さえ認識されなくなってしまうかもしれない。そもそもPomp Rockとはなんぞや?辞書をひくと"pomp"というのは、「華麗」または「虚飾」とある。まさに"言い得て妙"というのは、このことか。
1980年代前半〜中盤、この時期は、かつてのプログレの大御所たちが、解散しては再結成、分裂しては再編されていた。UKやASIAにはじまり、Emerson Lake & Powell, GTR、3(Three)といったプログレユニットが出ては消えを繰り返していた頃、彼らはPomp Rockをひっさげて登場したのである。彼らとは、Marillionを筆頭に、Craft, Dagaband, Quasar等である。一般に彼らは、Genesis childrenと呼ばれていた。その名が象徴するように、彼らはシンフォニックロックを演奏はするが、実はただのGenesisの亜流に過ぎなかった。曲作りも演奏テクニックもかつての大御所達からは、大きく劣っているようだった。詰まるところPomp Rockとは、かつてのプログレファンが80年代に見たプログレ再興の幻想であったのだ。
と、かなり否定的に書いてしまったのだが、私個人としてはPomp Rockは好きである。Rock史における位置づけはさておいて、今真っ新な状態でこれらの音楽を聴けばきっと好きになる人も出てくると思う。というわけで、各グループとアルバムの紹介です。
Marillion 「The thieving magpie」
なんだかんだ言われたMarillionだが、Pomp Rockを広めた功績は称えられるべきもの。
世界的にも成功を収めた彼らは、徐々にGenesisの亜流からの脱却を図っていった。本作は、ライブ版で彼らの集大成とも言うべき作品。Pomp Rockの入門編か?
IQ 「Tales from the Lush Attic」
IQは非常に評価の高いバンドだった。本質はGenesisにあるのだが、それを取り込み、消化、自分の音に換えて演奏をしていた。結局は大した成功もせず消えてしまったのだが、惜しいバンドである。
Solstice 「Silent dance」
現在もバンド継続中と聞いて驚いた。忘れた頃にアルバムを出しているようなので、通常は解散状態なのだろうが、何はともあれ嬉しいものだ。彼らもまた、非常にGenesisに似た音楽を奏でるバンドだ。しかし数あるPomp Rockの中でも、本作は完成度がピカイチ。
It bites 「Eat me in St. Louis」
80年代の終わり頃にデビューした彼らは、かなりの有望株ではあった。90年2月に日本公演も行っており、将来を期待したのだが、いつの間にか消えてしまったようだ。プログレバンドとしては、ルックスが良すぎるのは難点なのか(^^。なお本作は、かなりPOPな音づくりになってます。
次回は、英国編 part11: 忘れちゃいけない、この人達。
英国編はこれで最後です。
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