ユーロロック紹介(英国編)part7: Canterbury Music



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投稿者: 虚無僧三郎太 @ tproxy.tky.threewebnet.or.jp on 97/7/09 23:04:14

ユーロロック紹介(英国編)part7: Canterbury Music

 Canterbury Musicと聞いて、うんうんあれねと相槌を打てる人はまずいないだろう。日本でのCanterbury Musicの取り扱いは不当に低く、取り上げられてはいなかったからだ。Soft Machineなどは、記事の上ではクリムゾン同格程度だったが、放送で曲が流れることはほとんどなかった。なぜそのような差が付けられてしまったのか、答えはただ一つ当時の音楽評論家の中でSoft Machineを理解できる人がほとんどいなかったからだ。そもそもCanterbury Musicの定義もなされていない。ただ当時はプログレの隆盛期でもあったので、プログレの中に放り込まれてしまっていたようだ。
 Canterbury Musicとは何かというと非常に難しい。そのような徒党が組まれているわけではないのだ。でも簡単に言うと、Soft Machineおよびその一派の音楽なのだ。なぜCanterbury なのかというと、彼らは主にカンタベリー地方に在住していたからなのだ。
 Canterbury Musicの特色は一般に次のように言われている。
 ・ 各楽器の音をディストーションなどを使って平らに延ばし、音を均質化している。
 ・ さりげないリズムの中に、変拍子や奇数拍子を盛り込んでいる。
 ・ 転調が多い。

 代表作は、主に次の3作品(個人的に選びました)

Soft Machine 「Volume 2」
 69年2月発売と、結構古い。バンド存続の危機にあったSoft Machineだが、ジャズ系の音楽や変拍子などを取り入れ、一躍注目を浴びるようになった記念碑的な作品。演奏技術も1stあたりとくらべると格段に向上している。

Caravan 「In the land of Grey and Pink」
 系譜をたどればSoft Machineと従兄弟関係?にあたるというCanterbury Musicの雄Caravan。本作は3rdアルバムにあたるが、傑作との誉れが高い。A面はPOPな曲が多いが、B面に8部構成の組曲が1曲おさめられている。D.シンクレアのオルガンプレーは特に圧巻。

Mike Oldfield  「Tubular bells」
 800万枚以上のセールスを記録したCanterbury Music最大のヒット作。これ一枚でVirgin Records は大企業に成長したと言われている。A,B面両方使って1曲という大胆な構成だが、美しいメロディーラインもさることながら独特の神経質音を奏でるギターも当時は話題だったようだ。

 次回は、英国編part8: 5大バンドに次ぐ者たち。