AZELについてPt.2(長文、ネタバレ)



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投稿者: Birdie @ mx-yok221.raidway.or.jp on 98/2/08 04:32:25

登場人物
 主人公のエッジは基本的に一人で行動し、戦います。これは、シナリオのところで触れたハードボイルドの基本の一つで、このストイックさはAZELで、徹頭徹尾守られています。例えば、ゾアの街が消滅したことで、エッジをなじる少年がいますが、この少年も本当にあっけなくその命を落としてしまいます。もちろん、そのことに対する感情的な表現は全くされません。この小さなエピソードは、少年が生前に口にしていた「一人で生きていく」という言葉と絡み合い、AZELが、どのようなゲームなのかを如実に象徴しているように思えるのです。
 もちろん、元々がシューティング・ゲームであったのですから、主人公が一人で行動するのは必然と言えなくもないのですが、ここ最近のRPGの主流であるパーティを組んでの行動及び、必ず一つはある「仲間意識」に基づくイベントが全くない点も簡潔で良いと思います。大して人物の掘り下げをしていないのにも関わらず、「仲間だから」という句を連呼するRPGが多いなか、押しつけがましい感動を強要しないAZELは、それだけで評価に値するでしょう。エッジと絡み合ってくるガッシュとアゼルとの関係も単純に彼らの行動で表現されており、これもまた、ハードボイルドの文脈に沿っているのです。
 ゲームは、いわゆるオープン・エンディングで終わります。日本人は元来オープン・エンディングを好む傾向にあったのですが、戦後のアメリカ文化の強い影響下で、特に若い世代はクローズ・エンディングを好む傾向にあります。個人的にはオープン・エンディングの方が色々と含みがあって面白いと思うのですが、ゲームというメディアには余り見られないものなので、プレイヤーにどこまで馴染んでもらえるかが鍵でしょう。
 登場人物は、完全なフルボイスです。実力のある人たちが声を当てているので、ともすると、人形のように見えてしまうCGのキャラクターたちを活き活きとさせることに一役買っています。強いて言えば、アゼルの声をあてた声優は少し力不足かなとは思いましたが、全体的に見れば、問題はないといって良いでしょう。 

音楽
 「リグロード・サガ2」の音楽と似た傾向にあります。いわゆるエスニック音楽をベースとした現代音楽と言えばよいのでしょうか。ゲーム音楽もハードの飛躍的な成長によって、変化しつつあります。映画音楽風、クラシック風、ロック調など幅も拡がり、主題歌付きである場合も珍しいことではないのは周知のことでしょう。その中で、「リグロード・サガ」のBGMは個人的には衝撃でした。純粋に音楽を切り離したところでは、この種の音楽は聴いていたのですが、正直、ゲームで使われることは予想していなかったからです。AZELでは、「リグロード・サガ」ほどあくの強い使われ方はしていませんが、AZELの世界観を上手くサポートしていると思います。ただ、この手の音楽は聴き手を選ぶことも事実でしょうね。個人的には大変好みですが。