遅ればせながら「シャイン」観てきました(少々ネタば



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投稿者: みち世 @ pppea1a.pppp.ap.so-net.or.jp on 97/8/28 00:45:18

今日、遅ればせながら「シャイン」観てきました。
実在の芸術家をモチーフにした作品では、同じ南半球はニュージーランドの作品
「エンジェル・アット・マイ・テーブル」を思い出しましたが、「シャイン」の
ほうがわかりやすく、ストレートに感動できた作品でした。

厳格な(というより偏執的に頑固というべきか)父親によって、すばらしい才能を
開花させる前に心の病に冒され、不遇の数年間を過ごしたデヴィッド。
あの父親の心情って今の日本なんかじゃ考えられないけど、父親の育ってきた環境や
ユダヤ人であるというバックグラウンド、父親自身がたびたび口にするヴァイオリンの
逸話に込められているトラウマなんかがきちんと説明されていて、妙に納得できました。
そのヴァイオリンの逸話を通して、子供の頃からストレートに反発できなかった父親に対して、
デヴィッドがきっぱりと決別するシーンが泣けました。
最後には良き理解者としての伴侶に巡り会い、ピアニストとして復帰コンサートを開き、
その演奏を聴きにきた母や姉妹たちが映し出されるのですが、父親の姿はない。
結局、父親は既に亡くなっていたということだったんですが、お墓の前でデヴィッドが
妻に父の死について問われて「なんとも思わない」というようなことを言ったあとで、
「ぼくはこうして生きている、おやじは死んじゃったけどね」なんて言って晴れ晴れと
した表情で答える。このラストの爽やかさが良かったです。

ところで、劇中の印象的なシーンで弾かれていたラフマニノフの「ピアノ協奏曲第三番」、
後期ロマン派の風格漂う、激しくも美しい曲でした。
ラフマニノフは「パガニーニの主題によるピアノ協奏曲(だったかな?)」ぐらいしか
知らなかったんですが、こんな情熱的なピアノ協奏曲があったんですねえ。
それと、やはり高度なテクニックを要求されるリストの曲も数曲登場しました。
これは是非ともCDを買わなくては!と思ってしまいました。

というわけで、スピルバーグ氏も大絶賛(らしい)の「シャイン」、わたしも
おすすめいたします。
ハリウッドのSFXバリバリの作品にちょっと食傷気味のそこのあなた!
是非ご覧になってくださいな!(^o^)