『ピンピロリロリーン！　アナタノ相性なんばー１ハ、かすみサンデス』
「へえ〜、ちょっと意外な結果ネ」
「でも、かすみさん。おめでとうございまーす」


「かすみくん、どこか行きたい所ある？」
「いえ、別に」
「そう……。じゃ、その辺をぶらぶらしようか」
「ええ」
「……………………」
「……………………」
「……………………
（いかん、何か話しかけないと…）
　かすみくん！」
「ハイ」
「今日は寒いね」
「そうですね」
「……………………」
「……………………」
「……………………
（いかん、もっと内容のあることを話さないと…）
かすみくん！」
「ハイ」
「大陸の高気圧が西から張り出し、日本付近は西高東低の典型的な冬型の気圧配置になっている」
「はい」
「さらに能登半島輪島上空一万メートルにマイナス４０℃の第一級の寒気団が南下し、これに伴う寒気の吹き出しで日本海にはすじ状の雲が現れている。明日は山間部は大雪の恐れ、また平野部でも雪のちらつく寒い一日となるだろう」
「そうですね」
「……………………」
「……………………」
「……………………
（いかん、何か彼女に関係のある話題を持ちださないと…）
　かすみくん！」
「ハイ」
「君は以前すみれくんと大ゲンカしたそうだね」
「！」
「（し、しまったぁ！　聞いてはいけないことを聞いてしまった！）
　あ、あの……かすみくん？」
「……………………」
「（うわっ、かなり怒っている……）
　いや、別に言いたくなければ黙っててもいいんだけど、黙ってても君の方が悪かったなんて思ってないし……」
「……………………」
「（うわわ、これじゃ泥沼だ！）
　あ、かすみくん。おもしろい話をしてあげようか？　正月にね、坊さんと坊さんが道で出会って、これがホントの、和尚がＴＷＯ（おしょうがつー）……」
「……………………」
「（つ、冷たいまなざし！）
　えーと…………」
「大神さん」
「ビクッ。な、なんだい」
「もう帝劇に着きました」
「あ、そう。意外と早かったね。ハハハ……」
「……………………」

「あ、大神さん。帰ってきたー」
「どうでした。話はずみましたか？」
「ああ、まあね……」
と、顔では笑って見せたものの、正月早々、先が思いやられる大神であった……。



（完）