(1)を選んだ方へ



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投稿者: かとおおお @ 202.228.225.73 on 98/1/30 22:31:17

In Reply to: 2、を選んだ方へ

posted by かとおおお @ 202.228.225.73 on 98/1/30 22:21:13

『ピンピロリロリーン! アナタノ相性なんばー1ハ、由里サンデス』
「やったァ! 大神さん、よろしくネ」
「由里さん、おめでとうございまーす」


「さてと、由里くん。どこへ行こうか?」
「今、活動で『愛ゆえに』をやってるでしょ。見に行きたいな」
「ああ、マリアとさくらくんが主演した、確かフランス革命の話だったね。いいよ。俺も見たいと思ってたんだ」
「それからお茶を飲んで、お買い物をして、お食事が終わったら公園を散歩して、最後はホテルのバーでカクテルでも……もちろんすべて大神さんのおごりネ」
「おいおい、ちょっと待ってくれよ。俺はすみれくんのようなお金持ちじゃないんだし……」
「ふ〜ん。じゃ、お食事だけでかんべんしてあげるわ。さ、行きましょう」
「はいはい。(やれやれ……)」


「すてきなレストランね〜。大神さん、お代の方はだいじょうぶなんですか?」
「ハハハ、君が心配することないよ。(俺の一ヶ月分の給料が〜〜!)」
「でも『愛ゆえに』素敵だったなァ。あたしもあんな恋をしてみたいナ」
「由里くんだったら言い寄ってくる男はいっぱいいるだろうに」
「そうね。でも、こちらが真剣に恋をしたいって人はなかなかいないのよね」
「へえ、そんなものなのかな」
「ねえ、大神さん。あたしのこと、どう思ってます?」
「え!? ど、どうって?」
「アハハ、赤くなってる。やだなー。そういう意味じゃなくって、あたしってどんな女だと思ってますか?」
「えーと……」
「いいんですよ、思っているとおりを言って。あたしのこと、ちょっと派手めで遊び好きのおしゃべり娘、って思ってるんじゃないかな」
「由里くん! 俺は別に……」
「あはァ、図星みたいね。大神さん、嘘つくのヘタなんだから。
そうなのよねェ……あたしって軽い女に見られてるのか、近づいてくるオトコって下心のあるヤツばかりなのよ」
「おいおい」
「かすみは落ち着いててしっかりしているし、椿ちゃんは無邪気でかわいい子だし……帝劇三人娘なんて言ってても、あたしだけみそっかすみたいね」
「由里くん……」
「あーあ、花組のみんなもうらやましいナ。歌や踊りが出来て、みんな美人で輝いていて……あたしなんか何のとりえもなくって、ただうわさ話が好きなだけの普通の女の子……やんなっちゃう」
「由里くん! 違う。それは違うぞ!!」
「大神さん?」
「人と自分をくらべてどうするんだ!? 君には君だけのよさがある……そう、前に俺がすみれくんのことを誤解したことがあった時に、君は俺に忠告してくれたじゃないか!
人を一面だけで判断しちゃいけないって。俺は今でも忘れていないよ。
 だから、必ず君の本当の良さをわかってくれる人が現れる。俺が約束するよ」
「大神さん! ありがとうございます!」
「それに、俺も由里くんのことが好きだし……」
「アハハ、そこまで言うと嘘になりますよォ」
「ハハハ、そうかな……」


「あー、今日は楽しかったなァ。大神さん、どうもごちそうさまでーす」
「いやなに。でも、すっかり遅くなっちゃったね」
「……大神さん。さっき、あたしのこと好きだって言ってたわね」
「え? いや、あれは、その…」
「好きだったら、キスして……」
「えっ!? ゆ、由里くん!」
「ねえ、目をつぶってるから。早く……」
「(ど、どうしよう?)」


 (LIPS選択) 1、キスをする


「由里くん…………。
………………あれっ、由里くん、どこだ!?」
「アハハハハ、ひっかかったァー。こっちですよー!」
「あ、いつの間に? 待てえー!」
「やーい。大神さんの、す・け・べー! アハハハ」
「こら、そんな大声で! 許さないぞーっ!!」


こうして、大神の今年一年は始まった……。



(完)