帝撃むかし話:赤頭巾ちゃん



[ このメッセージへの返事 ] [ 返事を書く ] [ home.html ]



投稿者: えんかいくん零式 @ pppbb90.pppp.ap.so-net.or.jp on 98/1/14 03:48:46

るんるららん♪ るんるりらん♪

るらんりらん♪ りらるんるん♪


赤頭巾ちゃんがスキップしながらやってくる。


るんるららん♪ るんるりらん♪

るらんりらん♪ りらるんるん♪


右手にはおばあさんへのお見舞いが入ったバスケット。
左手には一升瓶をぶら下げて・・・


オオカミ  「げっ。あ、あれは米田赤頭巾ちゃん!」

米田赤頭巾 「るんるらんりら〜ん、ひ〜〜〜く。ぐびぐび」

オオカミ  「見ないふりだ。見ないふりをしよう」

米田赤頭巾 「おおっ!なんでぇ、そこにいるのは大神じゃねえか!」

オオカミ  「あ、いえ、僕は通りすがりのオオカミです」

米田赤頭巾 「ほーら、やっぱり大神だ。いつからモギリの制服は毛皮になったんだあ!?」

オオカミ  「ああ、もう、全然聞いてないな。赤頭巾ちゃん、僕は忙しいから・・・」

米田赤頭巾 「ここで会ったのも何かの縁だ。まあ、一杯やろう。えーーと、酒のツマミは、と・・・」

オオカミ  「あ、こらこら、花小路おばあさんへのお見舞いを勝手に・・・」

米田赤頭巾 「お見舞いの品はカラスミと明太子、あとは、もろきゅうか・・・」

オオカミ  「どこの世界にそんなお見舞いを持ってくる赤頭巾ちゃんが」

米田赤頭巾 「まあ、飲め!」


ごきゅ。ぐびぐびぐび


オオカミ  「うげげげ」

米田赤頭巾 「よーし、今日はこのまま朝まで飲むぞ、大神さんよぉ!」

オオカミ  「あの〜。そろそろ、僕は先回りしておばあさんを食べないとお話が進まないので」

米田赤頭巾 「バカヤロウ。モギリの分際でおばあさんを食うとはいい度胸じゃねえか!」

オオカミ  「ああ、もう、ムチャクチャ。だいたいなんでこんなじいさんが赤い頭巾を?」

米田赤頭巾 「よく見ろ。頭巾だけじゃなくて、赤いチャンチャンコも着てるぞ!」

オオカミ  「おいおい、この赤頭巾ちゃん還暦のお祝いされちゃってるよ」

米田赤頭巾 「へへへ、いいだろう。これはあやめ君が俺の還暦の祝いに・・・」

あやめ   「米田赤頭巾ちゃん!こんな所でサボっていたのね!!」

米田赤頭巾 「うわっ。い、いつのまに。まあ、そんな恐い顔するなって。今すぐ行くからよぉ、お見舞いに。じゃあな、大神」


すたたたたたたた


あやめ   「まったく、ちょっと目を離すとすぐこれなんだから。さ、大神君も帰りましょ」

オオカミ  「へ?」

あやめ   「由里たちが、大神君が伝票整理をサボってるって怒ってたわよ」

オオカミ  「あのぉ、人違いなんですってば。僕はオオカミなので」

あやめ   「さ、早く早く」


ずるずるずる  ← あやめに無理矢理連れて行かれるオオカミ


こうして米田赤頭巾ちゃんは無事にお見舞いを終えて朝までおばあさんとドンチャン騒ぎを、オオカミは朝まで伝票整理をしましたとさ。
めでたしめでたし。


あやめ   「大神君、さあ、次はモギリよ」

オオカミ  「早く森に帰してくれ〜〜〜!!」