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魔法騎士ぺいおーす @ sppr4DS13.hkd.mesh.ad.jp on 97/12/01 04:47:20
In Reply to: 第7.5話『師走大戦』予告編
posted by 魔法騎士ぺいおーす(偽称) @ sppr4DS05.hkd.mesh.ad.jp on 97/12/01 03:31:33
太正12年12月。師走で何かと騒がしい帝都から、一隻の飛行船が北の空へ飛び立っていった…(私用に使っていいのか?)
と言うわけで、やって来ましたここは北国蝦夷の土地(まだ『蝦夷地』かい(^^;
あたり一面銀世界…のはず…
すみれ 「少尉!これはいったいどういうことですの!?」
アイリス「お兄ちゃん、ここでほんとにスキーってできるの?」
カンナ 「おいおい、雪なんか全然無いじゃねぇか!隊長よぅ〜」
大神自身、自分の目に映る風景を疑っていた。12月だと言うのに蝦夷の大地には枯れ草の茶色一色であったのだ。
大神 「そ、そんなこと言われても…」
米田 「大神〜、お前がちゃんと確認しねぇからこーゆーことになるんだぜ」
今回の旅行では米田もスキーを楽しみにしていたクチである。
大神 「(俺はあやめさんと二人っきりで来ようと思っていたのに…)」
米田 「あーっ!?何か言ったか?オレがついて来てやったからこそ翔鯨丸も使えたんだぞ」
大神 「はいはい…わかっていますよ…」
大神自身も海軍時代にお遊びで滑って以来久々のスキーを楽しむはずであった。しかも、数日間とはいえども帝都を空けるわけにもいかないので、あやめは帝都に残っていたのだった。
大神 「(さて、どうしたものか…)」
雪が降らないことには帝撃花組隊長としてもお手上げである。
紅蘭 「大神はん、雪が無くても大丈夫や、心配あらへん。こんなことも
あろうかと、ウチの発明品『すき・好き・スキーくん』を持ってきて
あるさかい。」
大神 「なんだい、それは?」
紅蘭 「『すき・好き・スキーくん』は雪が無くてもスキーができる画期的な
発明品や。どんな地面でもすすいのす〜いと滑ることができるんやで。
しかも上り坂を滑ることも可能になっていて…」
マリア 「紅蘭、でもそれではスキーで滑ることには…」
紅蘭 「そないなことわかってるわ。ウチかて雪の上を滑りたいんやから…」
と、紅蘭も恨めしそうに空を見上げた。
大神 「(みんな楽しみにしていたんだなぁ。それなのに期待を裏切って
しまって…)」
と、大神もまた空を見上げていた。…っと、その目に映ったものは…
さくら 「大神さん、雪です。降ってきたんですよ!ほらっ!」
アイリス「わ〜い!ゆきだゆきだ!」
カンナ 「あたいもこんな景色、ほとんど見ることなんてなかったしな…」
静かに降り続ける白雪に喜ぶ団員たちと、ほっとすろ大神であった。
大神 「これで明日には本当にスキーができそうだな…」
と、思う間も無く、伝令係がこちらに走ってくるのが見えた。
伝令 「米田中将閣下、ただ今帝都本部より連絡がありまして、各員『直ちに』
帰還せよ、とのことです。」
その瞬間、大神は自己の意識が遠くなっていくのを感じていた。
米田 「大神よぅ、帰ったら劇場内の雑用、全部やってもらうからな!」
アイリス「アイリス、怒ると恐いんだよぅ!」
カンナ 「隊長、あたいの稽古にたっぷりつきあってもらうよ!」
すみれ 「少尉、この借りは高くつきますわよ!」
…大神の意識はすでにそこには無かった…

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