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VR @ 202.237.42.72 on 97/10/03 14:36:56
紅蘭「わ〜い、新居や新居や〜〜!」
さくら「ちょっと、遊びにきたんじゃないでしょ。」
紅蘭「へへ、わかっとるがな。しっかし、ここに帝劇との
連絡施設をつくるとはなあ。」
さくら「奈良県の生駒は元々霊的意味合いが強い土地らしいわよ。
大阪からの山越えで迷子になったりするのも、神隠しじゃ
ないか、ってもっぱらのウワサよ。」
紅蘭「うーん、気は抜かれへんなあ…。まあ、とりあえず買いだしに
いこか?」
さくら「そうよね、なんせこの部屋、何にもないんだもん。」
てく、てく、てく。
紅蘭 「あ、あった。『大神インテリア』! まずは照明関係と
家具やな。」
さくら「じゃ、入りましょうか。…ごめんくださーい。」
大神 「いらっしゃいまほー。」
さくら「うわ。」
紅蘭 「きつ。」
さくら「(別のお店にしましょうか。)」
紅蘭 「(ええけど…ずいぶん歩かなあかんで。持って帰るの
しんどいし。)」
大神 「あの、何か?」
さくら「い、いやー、なんでもありま温泉(とりあえず返す)!
照明機具がほしいんですけど。」
大神 「はい。それでしたらこちらの『快灯乱麻』なんかが
よろしいかと。」
紅蘭 「お、明るそうな名前やな。それもらおか。」
大神 「雷の電気を充電するもので、とっても明るいですよー。」
さくら「い、いや!それはいや!」
大神 「一回使ったら、また五回ほどためなきゃいけませんがね。」
さくら「毎回雷の音聞いてたら死んじゃうわ!もっと普通に、明るいやつ!」
大神 「じゃあ、ちょっと大型ですけどこちらの『照明丸』なんか、いかがです?」
紅蘭 「でかいでかーい!!でかすぎるわ。部屋埋ってまうって。」
大神 「今ならこれに、収納ダンスを14個おつけします。」
さくら「だ、だめだわ、この店!いきましょ、紅蘭!」
紅蘭 「ふとん圧縮袋は?」
大神 「あ、おつけしましょうか。」
さくら「聞けーーー!!」
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さくら「あー、ひどい目にあったわ…。」
紅蘭 「いやー、つい乗せられてまうとこやったわ。
…そういや、さくらはん。家具を買っても、あの部屋
まだ畳がないで?」
さくら「あ、そうか!先に畳を買わなきゃ!よかった、タンスとか
買ってたら、後で面倒だったわ。」
紅蘭 「たたみ、たたみと…。あ!あったで!『大神たたみ店』!」
さくら「…おおがみ…。やな予感…。ごめんくださーい。」
大神 「はいはい。」
紅蘭 「だー!!」
さくら「同じ人だー!!」
大神 「何のご用でしょう?」
さくら「…畳を6枚ほしいんですけど。」
大神 「たたみ?うちにはそういうものは…。」
紅蘭 「へ?だって看板に…。」
大神 「ああ、あれね、『大神たたみ』って、わたしの
名前でして。」
さくら「……。」
大神 「やだなあ、冗談でゲスよ。本当は先祖代々畳屋
でしてね。あんまり畳をやってたもんで、ついに
店のほうをたたんじまったってわけさ。(どっ!)」
紅蘭 「…誰が落語せえ言うた。ほな、残りもんでもええから
譲ってえな。」
大神 「よおし!お二人さんかわいいから、サービスしちゃうよ!
これ、こいつは普通の畳とは違うぜえ。なんと!表だけじゃ
ねえ、裏返してもつかえるんだぜえ!」
紅蘭 「よし、それもらおか。ほな、おおきに。」
大神 「ああ!ちょっと、お客さん、お代は?」
紅蘭 「店つぶれてんねんから、これは商品やないやろ?
持っていってくれるだけでも、ありがたく思いや!」
大神 「ああそんなひどいい。タダで持っていかれるなんて、
これがほんとの『タダミ泥棒』なんてね。(どっ!)
じゃ、おあとがよろしいようで。(てけてんてん)」
紅蘭 「…そこで終わるか……?」
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さくら「ああもう、今日はひどい一日だったわ。」
紅蘭 「まあええやん。両面使える畳が手にはいったし。」
さくら「……畳はもともと両面よ……。」
紅蘭 「…あ。」
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『大神インテリア』、『大神たたみ店』…。この二店は実在する。
さくら「名前だけね。」
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