キーンコーンカーンコーーーーン

ここ、東京は銀座にある帝撃学園の正門から、一人の男子生徒が出てきた。
彼の名は大神一朗といった。


キョロキョロ

大神　「いないかな？よしよし、大丈夫そうだぞ」

さくら「大神さん」

大神　「ぎゃーーー。で、でたぁぁぁ」

さくら「まあ、大神さんたら．．．そんなに喜んで」

大神　「さ、さくらくん。ぶ、部長が１週間も休んでるから、剣道部の部員達が心配してたんだよ」

さくら「ああ、大神さん。わたしのことが心配だったんですか．．．でも、大丈夫。わたしはこの１週間、大神さんのために愛を込めてお弁当を作っていたんですよ。
　　　　ハイ。お弁当！」

大神　「でも、もう放課後なんですけど．．．」

さくら「そんな、遠慮しちゃ駄目ですよ」

大神　「いや．．．何だか食欲が．．．」

さくら「はい。お箸をどうぞ」

大神　「ううぅ」


パリッ　　ペリペリ


大神　「（ご飯に箸を入れたら変な音がしてるぞ）」


メキッ　メキメキメキ


大神　「あの〜。さくらくん。ご飯が四角形のまま浮んできたんだけど．．．」

さくら「さすが、わたしが炊いたご飯は気合が入ってますね」

大神　「（ひょっとしてこのご飯、１週間前に炊けたものなんじゃ．．．）」

さくら「さあ。ウインナもどうぞ」

大神　「タコさんかな．．．ああ、リ、リアルなタコさんだね．．．表面がヌメヌメして光ってるし．．．なんだか粘って糸を引いてる．．．（って、これって腐ってるんじゃ．．．）」

さくら「大神さん、あーーーーーーん」

大神　「いーーーーーーー」

さくら「あーーーーーーん」

大神　「いーーーーーーー」

さくら「大神さん！！　わたしのお弁当が食べたくないんですか！？」

大神　「い、いや、食べたいんだけど、この口が、この口が、この口が言うことを聞かないんだ」

さくら「そう．．．．．わかったわ．．わかりました．．．．．．」


シャキーン　　　←　さくらが日本刀の鯉口を切る音

チャキ　　　　　←　刀の鍔鳴りの音


さくら「どの口が食べないんですか？この口ですか？」

大神　「あわわわわわわ」


ピーーーーーーーーーーーーーー


大神　「ああ、お、おまわりさん！」

さくら「なんですか、あなたたちは急に？」

警官Ａ「真宮寺さくらだな？銃刀法違反で逮捕する」

さくら「ええぇ！！」

警官Ｂ「貴様が銃刀法違反の常習犯なのは分かっているんだぞ。観念しろ」


ズルズルズル　　　←　さくらが無理矢理連行される音


さくら「助けて、大神さ〜ん」

大神　「さくらく〜ん。しっかり、お勤めするんだぞ〜〜〜〜」

さくら「大神一朗の薄情もの〜〜〜〜〜！！！」