牛の呪い(またしても無意味な書込み)



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投稿者: えんかいくん零式 @ slip202-135-63-122.kw.jp.ibm.net on 97/9/13 05:57:45

In Reply to: 牛殺しは大変なんだって

posted by clancy @ ppp243.hf.rim.or.jp on 97/9/13 03:14:10

コンコン  コンコン  コンコン

「おう。誰だい」
しつこいノックにカンナがドアを開けると、そこには牛が立っていた。
「桐島カンナさんですね?私はこういう者ですが」
牛はカンナに名刺を差し出した。

『赤毛和牛 牛次郎』

「へー。赤毛和牛さんかい。で、あたいに何の用なんだい?」
牛は、妙にうやうやしく答えた。
「へぇ。実は私の兄のことなんですが...。私の兄『赤毛和牛 牛太郎』が今年の正月から行方不明でして...」
「それが、あたいと何の関係があるっていうんだ?」
「ええ。それが、噂によると私の兄は格闘家に『牛殺し』と称して撲殺されたということで...」

ギクッ!

「その格闘家というのが、どうも女らしくて...」

ギクッ ギクッ!!

「その女というのが、六尺五寸はあるという大女らしくて...」

ギクッ ギクッ ギクッ!!!

「その大女というのが、赤毛にハチマキをしているらしくて...」

ギクッ ギクッ ギクッ ギクッ!!!!

「そこでわたしはねぇ」   そう言うと、牛はその大きな顔をカンナに近づけてきた。
「そんなひとをさがしてここにやってきたんですよぉ」   牛は更に顔を近づけた。
「桐島カンナさん。そんなかた、ごぞんじですよねぇ。ヘヘヘ」

「そ、そ、そいつを見つけたらどうするつもりなんだ」
カンナは背中から冷たい汗が流れるのを感じた。

「もちろん」牛は顔をカンナに摺り寄せながら言った。「こうするんですよ」

うぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ


カンナは自分の絶叫で目が覚めた。食堂の客が全員、自分を見つめていた。どうやら食堂でうたた寝をしているうちに、開店時間になっていたらしい。
「しっかし、嫌な夢だったな」
「へえ。そんなに嫌な夢だったのかい」
カンナがその言葉に振り向くと、食堂の柱の影にモギリ姿が見えた。
「いやぁ隊長。なにしろ牛が出てきてあたいのことを...」

「ヘヘヘ。その牛っていうのは、こんなヤツだったかい」

そう言って柱の影から出てきた大神の顔は、牛の顔だった。