花組の公演演目とその出自ついて(長文)



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投稿者: えんかいくん零式 @ slip202-135-43-213.kw.jp.ibm.net on 97/8/06 00:53:41

「サクラ大戦 原画&設定資料集」(以下資料集と略す)に記載されている情報を元に、帝国歌劇団・花組の公演演目の出自を探ってみました。
内容に間違いなどありましたらご指摘ください。

◆◆◆ 太正十二年 ◆◆◆

■ 三月〜四月公演『椿姫の夕』
『椿姫』はアレクサンドル・デュマ・フィス作の小説です。が、それ以上にヴェルディ作曲によるオペラとして有名です。設定集に書かれている物語のアウトラインは小説ではなく、オペラのものです。但し、マルグリットとアルマンは小説の方の登場人物名で、オペラではヴィオレッタとアルフレードと名前が異なっています。"ヴィオレッタ"とは"すみれ"の意味なので、こちらの方がぴったりとくるんですが...

■ 五月『愛ゆえに』
池田理代子さんのマンガ『ベルサイユのばら』がイメージの原点でしょう。この作品は後にアニメ化されたりしていますが、何といっても宝塚歌劇団による舞台化が有名です。この作品によって宝塚の一時代が作られたといっても過言ではないでしょう。
マンガの『ベルサイユのばら』はもう20ほど昔の作品ですが、今読んでも結構面白いですよね。思わず徹夜で読み直してしまいました。
『ベルサイユのばら』を知っているとマリアの役名、オンドレはかなり笑えます。(知らなくても笑えるけど...)
『愛ゆえに』は花組にはもっともふさわしい作品って感じがします。

■ 六月『シンデレラ』
グリム童話としてあまりにも有名ですね。あるいはディズニーのアニメが思い浮かぶ人も多いかも。
花コラの『シンデレラ』で米田支配人モードは笑えたなあ...
ドラマCDにて登場予定です。

■ 七月『愛はダイヤ』
尾崎紅葉の未完の小説『金色夜叉』を元にしていることはゲーム中でも説明を聞けます。
第四話でカンナとすみれが練習しているのは、非常に有名な熱海の海岸でのシーンと思われます。このシーンでは主人公である貫一が、恋人であるお宮が自分を裏切り、ダイアモンドに目が眩んで資産家の富山を選んだものと思い込んでお宮をなじります。
しかし、テーマ曲からすると『愛はダイヤ』のお宮は、原作とは全然違うキャラクターになってるような気がするが...

■ 八月『西遊記』
これは説明不要でしょう。
ちなみに妖鬼夫人って、原作の『西遊記』に登場しましたっけ?ちょっと調べきれなかったので御存知の方お教え下さい。

■ 十月『蛇女火炎地獄』
スーパー歌舞伎といえば市川猿之助さんですね。『ヤマトタケル』や『八犬伝』などが有名だそうですが、残念ながら私は観ていません。
しかし、この『蛇女火炎地獄』は、かなりメチャクチャな話という気がするな...

■ 十一月『つばさ』
『つばさ』といえば、1927年(昭和2年)公開の映画(原題:Wings)でしょう。この作品は第一回アカデミー作品賞受賞作として有名です。また、初めて映画で空中戦を描いた作品としても知られています。

映画のあらすじ
主人公ジャックは車と飛行機を愛する青年。そんなジャックに隣
家の娘メリーは夢中なのだが、ジャックは美人のシルビアを恋し
ている。しかし、実はシルビアはジャックの友人デビッドと愛し
合っていた。やがって第一次世界大戦に参戦したジャックとデビ
ッドはエースパイロットとして活躍することになるのだが...

花組の『つばさ』では紅蘭が女空軍飛行士を演じるということで、映画とは異なるストーリーのようですね。
なお、この公演はドラマCDとして発売予定。

もし舞台の『つばさ』が映画の『つばさ』を下敷きにするならば紅蘭の駆る愛機は「流星号」の名になるんじゃないかと勝手に予想してるんですが...

■ 十二月『第三天国』
これは有名な話ですが、資料集では『第三天国』となっているのに、ゲーム中の台詞では『第七天国』となっています。また、売店のポスターも同じく『第七天国』と書かれています。
この話のネタ元は映画『第七天国』(原題:7th heaven )です。この映画の公開は1927年(昭和2年)で、第一回アカデミー監督賞と女優賞を獲得しています。

映画のあらすじ
パリの下水道掃除夫であるシーコウは、いつか道路掃除夫になり
美しい妻を得ることを夢見ている。
ある日、意地悪な姉のせいで警官に捕まりそうになっている娘デ
ィアンを助けたことがきっかけとなり、シーコウとディアンはシ
ーコウの部屋で同棲をすることになる。粗末なフラットの七階に
あるその部屋も、二人にとっては天国であった。
しかし、そんな二人の元にも戦争の足音は忍び寄っていた...

お気付きと思いますが、『第三天国』のストーリーはこの映画そのままです。
ちなみに、seventh heavenとはユダヤ教がその出所で、神が棲む最上天を意味します。ここから転じて至福の状態であることを意味する言葉でもあります。

余談ですが、seventh heavenと聞いて某RPGの巨乳格闘美少女を思い出すのって私だけかな?

◆◆◆ 太正十三年 ◆◆◆

■ 二月『マイフェアレディ』
『マイフェアレディ』(原題:My Fair Lady)はオードリー・ヘプバーン主演の映画として、とっても有名ですね。公開は1964年(昭和39年)です。第三十七回アカデミー作品賞を受賞しています。
花組の『マイフェアレディ』では米田支配人が、主人公イライザの父親役をやっていますが、これはまさにはまり役でしょう。
サクラ大戦2ではぜひ『ローマの休日』あたりをやって頂きたいなあ。真宮寺さくら主演で。

■ 三月『大恐竜島』
天井から頭にタライは、まさに『8時だよ全員集合』の世界でしょう。コントの部分を抜くと『ジュラシック・パーク』だったりするのか?

※おまけのクイズ
榊原由里嬢によると大帝国劇場では公演の無い時には、映画が上映されたりするそうなのですが、そこで上映されたのが『三銃士』(原題:The Three Musketeers)だそうです。この映画は1921年(大正十年)公開なのでちゃんと時代が合っていますね。
ゲームの中では由里ちゃんがこの映画の監督と主演男優の名前を教えてくれます。
さてなんて名前でしょう?