![]() ![]() 投稿者: @ pppb797.pppp.ap.so-net.or.jp on 98/3/23 14:47:11
美佳は気が付くと、見知らぬ部屋にいました。 壁一面に妙な模様が描かれています。 不思議な装置の中で寝ていたようです。 美佳は何も着ていませんでした。時計もありません。 頭がぼーっとします。何があったのかよく思い出せません。 「・・・」 置いてあった服を着て、部屋を出る美佳。 一瞬、その服が妙に懐かしく感じましたが、気のせいでしょう。 そこは薄暗い廊下で、模様はまだ続いていました。 「・・・(ここ、どこなんだろう?)」 美佳が歩き出した時、 「こっちよ」 突然、廊下の向こうから声が聞こえました。 「あなたは...」それは美佳が聞き覚えのある声でした。 声に誘導されるまま美佳は大きな扉の前に出ました。 ルルル...静かな音と共に扉が開きます。 そこには、大きな筒状の物がいくつも並んでいました。 筒は生きているのか、ウネウネと脈打っています。 中には液体が入っていて、ポコポコと泡が浮かんでいます。 「・・・きゃっ!」 美佳は驚きました。筒の中に人が眠っていたのです。全裸でした。 両手で自分の目を隠し、指の間からそ〜っと顔を見ます。 「(この人、見た事あるわ・・・)」眠っていたのは瑠原でした。 「あっ」隣の筒には、カイが裸で眠っていました。 「この人たち、裸が好きなのかしら...もしかして...変態?」 美佳はその隣の筒を覗くと、びっくりしました。 「...お兄ちゃん!・・・お兄ちゃんまで変態だったの・・・?」 しかし美佳は、隣の筒の中にもっととんでもないものを見つけました。 「・・・なっ・・・!?」 なんと、そこにもカイが裸で眠っていたのです。 「ど、どういう事...?」 美佳は既に、カイの裸には全く動じませんでした。 まさかこの筒の中にはカイが沢山入ってるのかしら... そう思った美佳は、他の筒を次々に見てまわりました。 ...が、他はどれも空っぽでした。 「ミクア、久しぶりね...」 後ろから声がして振り向くと、そこにはティクアが立っていました。 「あ・・・あの・・・あなたが助けてくれたんですか?」 「そうよ。けど、そんな事はどうでもいいの」 「・・・えっ?」 「あなたに協力して欲しいのよ」 「?」 「この構図・・・」と言ってティクアは美佳の時計を取り出します。 「あっ・・・(良かった、落としたんじゃなかったんだ)」 「これ、どうも使い方がわからないわ。 ...と言うより、私じゃ使えないみたいなのよ」 「?」 「同じ酵素で出来ている私なら大丈夫かと思ったけど... やっぱり媒体であるあなたしか使えないみたいね。」 「その時計、使い方そんなに難しいですか?」 「時計じゃないわ。構図よ」 「・・・あのー」 「何?何だか色々知りたそうな顔ね」 「...はい。お兄ちゃんの電話があってから不思議な事ばかり起きるんです。 それも私が関係してるみたいなの。でも私、何にも知らないのに... 私、早くお兄ちゃんに会いたいな・・・」 美佳はなんだか寂しくなって泣きそうでした。 「可哀相に・・・」ティクアは美佳を抱きしめ、頭をなでてあげました。 「教えて下さい!お姉さんは何か知らないの? カイは優しかったけど、何にも話してくれないんだもん」 ティクアは美佳を優しく抱き上げ、そのまま別の部屋へ連れて行きました。 そこには不思議な円が描かれていて、壁の奥には螺旋が建っています。 「ここにいて...」ティクアは美佳を円の中心に座らせます。 「お姉さん、構図って...?」 「そのうちわかるわよ」そう言ってティクアは螺旋へと姿を変えました。 「うわっすごい」 彼女は部屋の奥の螺旋と一つになり、二重の螺旋は回転し始めました。 「さぁ、構図を使って。」 「でも、使うっていっても・・・私、よく知らないんだけど・・・」 「...その機械に手を当てていて」 「こうかな」機械を両手で握る美佳。すると、 円の淵から螺旋型の触手が伸びてきて、美佳と機械を包みました。 「うっ・・・」 触手は美佳と機械に接触してつながろうとしました。 「あははははははははははははははははははははははははは」 大笑いする美佳。 「ちょっとミクア、動かないで!」ティクアの声がしました。 「お姉さん、くすぐったーい!」美佳は笑っています。 「ちょっと我慢しててよ」 「あ、足の裏はやめてー!あははははははは!」 しばらくして... 「はぁ...はぁ...はぁ...」美佳は笑いすぎて泣いていました。 「これで終了ね」ティクアが部屋の奥から出てきて言いました。 「お姉さん、今のは何だったの?」 「ちょっとあなたと構図の情報をいただいただけよ」 「ふぅん・・・よくわからないけど、変なの」 美佳が立ち上がろうとしたその時、小さな地震が起きました。 「・・・ウッ・・・!」 同時に、ティクアが突然倒れました。とても苦しそうです。 「お姉さん?どうしたの!?」美佳はさっぱりワケがわかりません。 「まさか・・こんな筈・・・!」 ティクアは螺旋の形に戻ろうとしました。しかしうまくいかないようです。 「ミクア、教えて・・・」苦しそうな表情で彼女は言いました。 「お姉さん、しっかりして!」 「あなたは一体、誰なの...?」 「えっ、何言ってるの!?」 「私は平気。だから答えて...あなたは誰...」 「誰って言われても・・・困るなぁ」 「・・・そう、覚えてないのね」 「うーん。覚えていないというか、よくわからないんですけど...」 ティクアはしばらく考えて、言いました。 「私が消えれば、この世界も見えなくなるわ」 「へ?」 「あるいは見えるかも知れない。けれど見え方は変わるでしょうね」 「???」 「これが成り行きなら、私も何か別のものが見ている存在だったのかもね」 「あ、あの〜...」あっけにとられる美佳。 「あなたは、二つの塔に向かいなさい。そこで全てを知るでしょう」 「うーん、でも学校があるしなぁ...」 「見え方が変わっても、戸惑ったりしなくていいのよ。 あなたの見ている世界はたくさんの世界の一つなのだから...」 「はぁ、そうなんですかー」 「じゃあ、私はもう輪に帰るわ・・・」 「?」 ティクアは完全に動かなくなりました。 「大変!お医者さんを呼ばなきゃ!」 「その必要は無い」 声がして振り向くと、カイが黒い服を来て立っていました。 「...あなた誰?」 「ほう、解るか」 「あなた、カイに似ているけど...ちょっと違う気がしたから」 「ま、どーでもいい事だ」 「あなたたち、さっき裸で寝ていたでしょう...変態だわ!」 「バ、バカ言うな!あれはだな...」 「言い訳はいいわよ。・・・カイや兄さんたちはどこなの?」 「・・・まだ寝てるよ。回復しきってないんだろう」 「あなたが傷つけたのね」 「...なぜそう思う?」 「だってあなた、アレントで私を気絶させた仮面の人でしょう?」 第16話「温泉へ行こう」は、24日にUPされる予定です ![]() ![]() |