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投稿者:
hiv @ apopt13.iis.u-tokyo.ac.jp on 98/3/11 16:38:33
そのとき私は滴(しずく)を眺めていた。
私はいつも、湯船→体洗い→シャンプー→湯船→シャワーという順番に
お風呂をすませる。
その日も、体を洗ったあと、使ったゴシゴシタオルをじゃぶじゃぶ洗って、
石鹸ケースの上に置いた。
続いて頭を洗いにかかる。
いつものことだ。
流れ落ちてくるシャンプーの泡に目を細めながら、ふとタオルに目をやると、
タオルの端から滴が落ちかかっていた。
私はなんとはなしに、それを眺めていた。
濡れた洗面台からもう何ミリも離れていないその滴は、少しずつ大きく
なっていく。
そして耐えきれなくなって、ぽちゃっと落ちる。
私は何かしら違和感を覚えたので、目を凝らして眺め続けた。
よく見るとその滴は、落ちるときに下の水を押しのけているのだ。
ひょっとすると、タオルに石鹸が残っていて、滴の表面に膜が出来ている
のかもしれない。
とにかく滴は、周辺の水をグググッっと押しのけて、あるところで限界が
きて弾け、周りの水と一体になる。
その様は、なにかに似ている。
そう思った。
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