だれかのみたゆめ 第7話



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投稿者: @ pppb7a3.pppp.ap.so-net.or.jp on 98/3/10 12:35:56


第7話 「悪いやつらをやっつけろ」


「ここね...」
美佳は村北部の渓谷地帯に辿り着きました。

・・・・・・・・・・・・・・・

「なるほど、美佳ちゃんの目的地は、"ピコピコタウン"じゃな。」
美佳の地図を見ながらお爺さんが言いました。
「そこって...遠いの?」
「遠いのぅ。ここからずっと北に行った土地じゃが...」
「歩くとどのくらい?」
「歩くって、そりゃ無理じゃよ。何日もかかるし、それに...」
「それに?」
「最近、北の街道に人さらいが出るでな」
「そんなの怖くないよ」
「となり村の娘っ子もそう言ってさらわれたんじゃ」
突然、社の戸が開きました。
「お爺、大変だっ!」村人が慌てた様子で叫びます。
「何じゃ、メック様の御前で騒々し...」お爺さんが静止すると、
「深森ちゃんがいねぇだ!」村人が遮って言いました。
その瞬間、お爺さんの顔から血の気が引きました。
「な...何じゃと...!」
「オラがさっきお爺ン家に行ったら、戸が開きっぱなしでよ!
 今、村の連中で探してるだけんど...てんで見つからね。
 外に出るのを見たちゅう者もおる。」
「まさか深森の奴、魔渓谷に...」お爺さんは顔面蒼白でした。
「お爺、心当たりはねぇだか!?」
「急いで若い衆を集めてくれ。ワシもすぐに行くっ。」
「わかった!」村人は走っていきました。タッタッタッ...
美佳は何がなんだかよくわかりません。
「ねえねえ、どうしたのよ」
「メック様、どうか深森をお護り下さい....」
お爺さんは一心にメック様にお祈りしています。
「美佳ちゃん、決してここからでちゃいかんぞ」
そう言ってお爺さんは出て行きました。

・・・・・・・・・・・・・・・

村を抜け出した美佳は駅に行ってみましたが、
謎の黒服が多くてとても入れる状態ではありませんでした。
地図を見ると、この村の北に大きな町があります。
美佳は仕方が無いので、歩いていく事にしたのです。

そして、渓谷地帯に辿り着きました。
立て札には、”福山渓谷”と書かれています。
「うひゃー、なんか険しい道のりってカンジだよ...」
美佳は、ゲンナリしました。
「(でも頑張ってお兄ちゃんにアレを買ってもらわなきゃ)」
美佳が歩き出した瞬間...

「ウヘヘヘヘヘヘヘヘウヘェ...」
突然、後ろで下品な笑い声がしました。
ハッとして振り向くと、あからさまに悪党な男たちが立っています。
しかし、人は見掛けでは判断できないもの...
そう兄が言っていたのを思い出し、まず美佳は挨拶しました。
「こ、こんにちはっ」
男たちはにじり寄ってきます。
「ヒヘヘヘへへ、お嬢ちゃん一人でドコ行くんだい...?」
「クヘヘヘへへ、危ないからこっちにおいで」
「ファヘヘへへ、テメェの方がよっぽど危ねェよ」
「ヌへへヘヘヘ、しかしよく見りゃ上玉だぜェへへへ」
美佳は、"お兄ちゃんのウソつき・・・!"と思いました。


つづく



第8話「お嬢様になっちゃった!?」は、11日にUPされる予定です