だれかのみたゆめ 第6話



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投稿者: @ pppb864.pppp.ap.so-net.or.jp on 98/3/09 12:34:51


第6話 「奇跡と足止め」


「うーん......」
美佳は、持ってきた地図とにらめっこしていました。
それというのも、箱の中でグースカ寝ていたせいで、
モコモコの駅で降りる筈が終点まで来てしまったからなんです。
ここは、美佳の小さな地図には載っていない無人駅でした。

「おいっ、いたぞ!」
突然、遠くから叫び声が聞こえました。
振り向くと、黒い服の人々が美佳の方に走ってきます。
「なっ何なの!?」
美佳は身の危険を感じ、とっさに逃げ出しました。タッタッタッ...
「君ーっ、待ちなさい!」黒い服の人々は追ってきます。
美佳は外にあった社を見て、とっさに中へ隠れました。
パタン...戸を閉めます。
・・・どうやら、やりすごせたようです。
「(何なのかしら...私、捕まるような事してないのに)」
ため息をつく美佳。辺りを見回してみました。
小さな社は、さしてほこりもなく清潔でした。
「(フーン、誰かがお手入れしてるのね)」
パタッ...
次の瞬間、社の戸が開かれました。
「〜〜〜ッ!」

「き・・・奇跡じゃ・・・」
見るとそこには、一人のお爺さんが立っていました。
そして何を思ったか、美佳に向かって拝みだしました。
ハテナの渦に巻き込まれる美佳。


・・・・・・・・・


「ほ〜、そうだったのかい」
「勝手に入り込んでごめんなさい、お爺さん」
「しかし、迷子が紛れこんどるとはな...わしゃさっき、
 メック様の使いがいらしたかと思ったよ。ふぉっふぉっふぉっ」
「"メック様"?」
「ほぅれ、後ろを見てみい」お爺さんがローソクで照らします。
美佳は祭壇に奉られている神像らしきものを見上げました。
「・・・鳥・・・?」
「この村の守り神、メックピック様じゃ」
しかし、像を見つめるお爺さんの顔は、哀しそうでした。


つづく



前回予告とサブタイトルが違いますが、代筆者年貢の誤植によるものです。
今回UPするにあたり訂正させていただきました。お詫びいたします。
第7話「悪い奴らをやっつけろ」は、10日にUPされる予定です。