だれかのみたゆめ 第3話



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投稿者: @ pppb7a7.pppp.ap.so-net.or.jp on 98/3/04 11:27:38

第3話 「ときめき」


本屋は人がいっぱいでした。
美佳はふらふらしているうち、芽衣とはぐれてしまいました。
仕方がないので絵本のコーナーに行くようです。てくてく...
絵本コーナーにはおよそ似つかわしくない制服姿の男が
何やらブツブツ言いながらあたりを物色しています。
どうやら、何かの本を捜しているようですね。
美佳はこっそり近づいて声を聞こうとしましたが...
「・・・ここにも無いか、マジックブック・・・」よく聞きとれません。
ふいに男がこちらに歩いてきたので、美佳と目が合いました。
すると彼は少しびっくりして、スタスタ歩き去ってしまいました。
美佳は、彼が着ていた制服に見覚えがあるような気がしました。
彼女は何を思ったか、彼の後を付いていく事にしました
・・・が、人が多くて見失ってしまいました。うーん惜しい。
そして、いつの間にか見慣れぬ場所に入り込んでいました。
辺りを見回すと、TVゲームの本がズラリと並んでいました。
どうやら、ここはゲーム関連書籍を扱うコーナーのようです。
「ゲームの本がこんなに出てたんだ...」美佳は、少し驚きました。
数の多さもありますが、実際は人の多さにも驚いていました。
彼らは、まるで制服か何かのように同じ風体をしていました。
そして皆、食い入るように本を見つめています。
「(どんな本なのかな・・・?)」
美佳は、自分も読んでみたくなりました。
平積みしてある中から、適当な一冊を手に取ります...
それは「Super魔女っ娘大戦・オールアバウト」という本でした。
絵が多かったので、美佳はつい見入ってしまいました。
その本には随所に「萠えっ!」という単語が使われていました。
「"もえっ"って読むのかな...?」
美佳は、この単語はきっと重要に違いないと思い、色々と
携帯辞書でひいてみましたが「No Data」になってしまいます。
「うーん、なんでだろ...芽衣なら知ってるかなぁ」

美佳は次の瞬間、後ろから肩をつかまれました。
「わっ!」
ふりかえると、芽衣がプンプン怒りながら立っています。
「(あ〜びっくりした〜...)なんだぁ、芽衣かー」
「”なんだぁ”じゃないよー。迷子にならないでよね、全く」
「ゴメンゴメン」
「なんでこんな場所に・・・まいいや、もう帰ろう」
「で、本は見つかったの?」
芽衣は残念そうに首を振りました。
「そっか、じゃ別の本屋行く?」
「いいの?」
「うん。どうせ帰っても誰もいないもん」
「ん、それじゃ付き合ってもらおうかなー」
二人は歩いていきました。明日から大型連休です。
(本当はテスト休みなのですが、彼女に勉強する気は無いみたい...)
美佳はなぜだかわくわくしています。なぜなのでしょう。

夕暮れに美佳が帰宅すると、
留守電にメッセージが1件入っていました。

つづく




第4話「予感」は5日にUPされる予定です。