だれかのみたゆめ 第1話



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投稿者:   @ pppb7a0.pppp.ap.so-net.or.jp on 98/3/02 11:19:37


第1話 「ゆめをみてる」(全25話)


あなたは、
ゆめをみますか?
どんなゆめをみますか?
楽しいゆめ...怖いゆめ...
普通、ゆめは外からは見えません。
眠っている時だけ、中から見えるんです。

おや、ここにも誰かが眠っていますよ。
ちょっとのぞいてみましょうか・・・


「うひゃー遅刻だよー」
その女の子は、まるで懐中時計を持ったウサギのように急いでいました。
なんとか箱の中に乗り込むと、友達が声をかけてきました。
「美佳、おはよー。今日は遅いんだね」
「寝坊しちゃったわ・・・はー疲れた」
「試験勉強?」
「まさか。単なる寝坊...でも、あの時計が悪いんだよ」
「時計?お兄さんが送ってくれたってやつ?」
「うん、目覚しにもなるっていうから使ってみたら、最悪なのよ」
「災厄?」
「そう、なんか不気味なこと言って起こそうとするのよ。
 絶対起きたくなくなるの。頭に来たから、置いてきちゃった」
「えー、聞いてみたい。今度持ってきてよ」
「ヤダ。あっ由紀、見て!あの人が乗って来たよ...」
「うん、いつもこの時間に乗って来るよ。降りる駅も一緒だし」
「そのためだけに来る時間遅らせてるなんて、泣かせるわー」
「ほっといてよもぅ・・・あっ、ねーなんかさー、こっち見てない?」
「そ、そうかなぁ...?」
「見てるって!」
「...ハイハイ」

美佳という子とその友達は、箱から降りると部屋まで歩いていきます。
かぜがふいて、みんなは着いていきました。


つづく






第2話「はじまりのおわり」は3日にUPされる予定です