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投稿者:
hiv @ cc-ppp7.iis.u-tokyo.ac.jp on 98/1/30 11:28:25
当時私は高校から戻るといったん寝て、夜中に勉強していた。
もっとも勉強するよりは、親が寝てしまっているのを良いことに、パソコンで
遊んでいる時間が長かったのだが。
ある夜『バタリアン』というゾンビものの映画をTVで見ました。
しかし、臆病な私は最後まで見ることが出来なかったのです。
家族がとうに寝てしまった深夜、私はシャワーを浴びていた。
すると、「クゥ〜ン」という犬の鳴き声の様な音がする。
私は激しく動揺した。。
その鳴き声は、映画中に出てくる、標本にするため頭から尻尾まで真っ二つに
切られた犬がゾンピになった時の鳴き声にそっくりだったのだ。
私は息をひそめた。
「ザー」というシャワーの音が聞こえるだけだ。
だが、ほっと息をつくと、また「クゥ〜ン」という音が聞こえる。
それもすぐ近くから。
驚いて呼吸を止めて耳をすますと、やはり何も聞こえない。
嫌な想像が広がる。
外はゾンビだらけだったりして、なんて。
私はシャワーを切り、覚悟を決めて外へ出てみることにした。
場合によっては、無駄でも戦うつもりだった。
もっとも、『バタリアン』に出てくるゾンビは、細胞単位で生きている(?)
ので、どうやっても殺すことは出来ないのだが。
外へ出てみると、やはりなんの異常もない。
あの音はすぐ近くだったはず。
戸棚などを開けてみたが何もいない。
私はやや安心して、大きく溜め息をついた。
その刹那、「クゥ〜ン」という音がした。
私は全てを悟った。
自分鼻が鳴っていたのだ。
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