・・・・・ああ、俺だ。さっきは悪かった・・・
・・・ああ、わかってるよ。けどそれは・・・
・・・いや、そうじゃない、だから、・・・ん？ちょっと待ってくれ。

おい、誰だお前は？

おい、誰だと聞いているんだ。

ひょっとして気づいてないのか？
お前だ、お前、これを読んでるお前のことだ。

そうだ。やっと気がついたか。それにしても人の会話を
立ち聞きとは良くない趣味だな。

座って聞いてる？へ理屈はいい。だいたいどうして俺の会話を・・・
ちょっと待て、なんかおかしいぞ。なんだここは？

ホームページ？メッセージ文コンクール？何だそれは。
わけの分からん事を・・・

・・・・・ん？いや違う、こっちの話だ・・・
・・・お前のことじゃ・・・ああ、ちょっと待っててくれ・・・

そらみろ。お前のせいで会話がこじれてる。向こうも苛立ってるんだ。

苛立ってるのは最初からだと？お前一番上を読み直したのか。
人の会話に割り込んだ上に嫌なことをするやつだ。
で、そのメッセージ・・・なんとかいうのはいったいなんなんだ？

ほう、メッセージ文をな。それで？

で、そのあと投票か。なるほど、大体のことは分かった。しかし俺には
関係の無いことだ。さっさと他へ行け。

何？これもコンクールに出展されてるのか？だからお前はさっきから
一生懸命こんなものを読んでいたのか。ご苦労なことだ。
しかし俺にとってはいい迷惑だぞ。

・・・・違う！誰がお前のことを迷惑だと・・・
・・・だから、どうしてそうなる！・・・そうじゃない・・・

そらみろ、ますますこじれた。もうこれ以上向こうを待たせられん。
勝手に読んでさっさと出てけ。

出展作品らしく、だと？ほっとけ！
だったら何か？俺に詩でも書けというのか？
ただでさえ取り込み中なんだ、そんなもの書いてられるか。
ぜいたくを言うな。
中には一発ギャグで終わるやつだってあるんだろう？
行数があるぶんましだと思え。

つまらなければ同じだと？言いたいことを言ってくれるな。
お前は読みに来たのか文句をつけに来たのかどっちだ。
だいたい会話に割り込まれた俺の身にも・・・

・・・ん？ああそうだ。もうちょっと待ってくれ。今こっちを・・・
・・・だからそうじゃあ・・いや、待て！切るな！切るんじゃない！・・・

おい、聞いての通りだ。もうこれ以上お前に付き合ってる時間はない。
これでおさらばだ。またな。

なに？投票？そんなものどれでもいいだろう。適当に入れておけ！
そんなに迷うんだったら、俺のこの文章に票を入れておけばいい。

何を言ってる、別に俺が票を欲しがってるわけじゃない。
だいたいこの文章はほとんどお前との会話で成り立ってるんだぞ。
いわばお前が自分のに票を入れるんだ、おかしなことはあるまい。
分かったらさっさと行け・・・ん？何だ？

余計なお世話だ、そんな事は分かってる。
そりゃああいつは怒ってるが、話せば分かってくれるさ。
お前が邪魔さえしなけりゃ今ごろもう・・・

・・・・・え？おい、ちょっと待て、待てってば・・・
・・・だから待てって、切るな！おい、切る・・・・・

あ〜あ、切れちまった。お前のせいだぞ、どうしてくれる！

おい、冗談だ、気にするな。いいよ、またかけるさ。
・・・ん、ちょっと待てよ、コンテストってことは、
まだほかにもこれを読みに来るやつがいるってことか。
だったら他のやつが来ないうちになんとかしなきゃな。
じゃあ、今度こそおさらばだ。

俺か？俺はまたあいつと話をしなきゃならん。
へそ曲げてないといいが・・・おっ、あいつが出た。じゃ、またな。

・・・・・ああ、俺だ。さっきは悪かった・・・
・・・ああ、わかってるよ。けどそれは・・・・・・・・・・