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投稿者:
hiv @ cc-ppp9.iis.u-tokyo.ac.jp on 98/1/09 01:47:14
東京に来て、こんなに雪が降った事が今まであっただろうか?
電車に乗りながらそんなことを考えていた。
電車が私の降りる駅に着くと、ホームは人でいっぱい。
乗り換えの路線が雪で動いていないようだ。
階段までなかなか進めない。
人を押し分けへし分け、なんとか階段にたどり着く。
「こんな混雑だと人が線路に落ちちゃいそうだね」
そんな声が聞こえる。
確かにこれならいつ人が落ちてしまっても不思議はない。
改札を通ろうと定期を取り出す私はふと不安になる。
あの混雑の中で財布は無事だろうか?
定期を人差し指と中指で挟んだ右手をズボンのポケットにやると、はたして
財布はない。
「うっそー、やられた。」
思わず落胆。
だが、そんなわけはない。
定期を取り出すには財布が必要なのだ。
左手に握られているものは何か。
何事もなかったかの様に改札を通り抜ける。
他人様を疑ってしまった自分がちょっと後ろめたい。
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