詩 『夢・夜明け前・水晶・人形』



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投稿者: 柏木耕一(旧・日光) @ p11-dn02kuki.saitama.ocn.ne.jp on 97/11/24 10:32:26

 〜夢〜

 私は一人 泣いていた
 引き出しが開かなくて 泣いていた

 中には何があるのだろう
 私はそれが知りたくて
 夢の中ですら 手を伸ばす

 〜夜明け前〜

 目覚めない 決して
 目覚めれば 辛いから

 朝を恐れる 夜明けを嫌がる
 夜は 夜はまだかと
 青く染まった 空を呪う

 〜水晶〜

 信じてる 愛してる
 言葉の檻は 君を閉じこめる
 澄んだ水晶のような
 美しい 君の心
 汚してしまえば それはもう
 僕のものだ

 〜人形〜

 その目は何も映さない
 その唇はもう歌わない

 風に舞い 雨に朽ち
 そしていつしか 忘れ去られる

 人形は今日も
 人形のまま