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 投稿者:
高山 比呂  @ um1-48.tokyo.infoPepper.or.jp on 97/9/06 00:04:12
 
In Reply to: 連載小説「犬(dog)」第4回 posted by 高山 比呂  @ um1-48.tokyo.infoPepper.or.jp on 97/9/05 23:58:34
 
> 「…ナプキン、か」
 >  かおりんは胸の膨らみの確認、膨らみのない股の確認、そしてセーラー服を着替えることもなく、一時の眠りについた。
 > 「かおり、貴司、ごはんよ〜」
 >  ふと気付くと空は黒いペンキで塗りつぶされていた。
 > (そういや異世界の食事ってどんなのだろう?まさか虫とかは食うわけ…あるかもしれない…)
 >  一階の「ごはんよ〜」の部屋へ向かうかおりん、その部屋は「おかえり」の部屋と同じである。
 > 「かおり、なんて格好してるの」
 >  「ごはんよ〜」の部屋に入ったとたん、お母さんにこの言葉を浴びせかけられた。
 > 「いや、さっきまで寝てたから着替える暇無くて…」
 > (うわぁ、やばい制服のまんまだった)
 > 「じゃあ、着替えてからご飯にしなさい」
 > 「…はい」
 >  二階へ戻り、着替えるかおりん。そしてまた「ごはんよ〜」の部屋へ。
 > 「かおり、もう寝る気?」
 >  かおりんはパジャマを着ていた。
 > 「え?」
 > (異世界では家の中にいる時の格好って、パジャマじゃないのか?)
 > ―それはどの世界でもおっさんくらいだろ―
 > 「ワンギャグ、ワンギャグ。おもしろかったでしょ」
 > (やばいな、不審に思われるよ)
 > 「なにふざけてんの。早く着替えてらっしゃい」
 > 「は〜い」
 >  二階へ戻り、着替えるかおりん。今度はTシャツにスパッツという定番の服装だ。一階へ降りた時にはもう、貴司とお母さんはご飯を食べていた。今度は誰からもつっこみはない。
 > (そうか、異世界ではこうなのか…)
 >  黒い箸が置いてあって、茶碗が逆さになってる席と、赤い箸が置いてあって、茶碗にご飯が盛ってある席が空いていた。かおりんは後者に座った。
 > 「いただっきま〜す」
 > (でいいんのかな?食べる時のあいさつ)
 >  何の反応もない。
 > (やっぱりこれでよかったのか…。さ〜て何から食べようかな?……なんだこりゃ?)
 >  かおりんがなんだこりゃと思ったものは、茶色いどろどろしたものの中にピーナッツを砕いたものが入ってる食べ物である。それはまるで消化不良気味の“アレ”のようであった。
 > (やっぱ異世界だよ。“アレ”食ってるよ。どうしよう?やっぱり食わなきゃいけないのか?)
 >  “アレ”を食べる貴司とお母さんの様子を、かおりんはじっと見ていた。
 > 「かおり、食べないの?あなたこれ大好きじゃなかったっけ?」
 > 「あ、う、うん」
 > (なんなんだ?かおりんって女は?なんでこんなの好きなんだ?)
 >  かおりんは、しょうがなく一口分とって口元に運んだ。
 > (うあ〜やっぱり食えないよ。…でも、食わなきゃ)
 >  かおりんは、いやいやながら口に入れた。
 > 「あ、うまいや」
 >  かおりんは、思わず声に出してしまった。
 > 「やっぱりピーナッツハニーはうまいな」
 >  貴司がふと、そう言った。
 > (これピーナッツハニーって言うのか。ってことは…、ちゃんとハチミツの味してるし、何だ“アレ”じゃなかったのか)
 >  かおりんは、異世界の料理がげてもの料理でないことに安心し、周りにあるものをがむしゃらに食べた。
 > 「ごちそうさま」
 > (なんだ異世界っていっても、たいした違いないな)
 >  茶碗と箸を流し場に持っていった。
 > 「ただいま〜」
 >  さっき見た写真の中には、写っていなかった男が家に入ってきた。
 > (だれだ?)
 > 「おかえり〜、父さん」
 > 「おかえり」
 >  貴司とお母さんは続けてそう返した。
 > (あの男が父さんなのか?)
 > 「おかえり」
 > (一応こう言っとかなきゃ、…でもなんで、…ま、多分、父さんは撮影者に徹していたってとこだろう)
 >  父さんは“黒い箸、逆さ茶碗”の席のいすに、上着とネクタイを外してかけ、座った。お母さんは何も言わず逆さ茶碗を取って、ご飯を山盛りに盛り元に戻した。
 >  父さんはしばらく何も言わずに食べていた。もう食べ終わっているかおりんと貴司とお母さんは、テレビを見ていた。
 > (やっぱりテレビもあるんだ。でも、山武(やまたけし)とかはいないんだろうな〜)
 > 「おい、かおり風呂一緒に入らないか?」
 >  父さんの第二声は、突然だった。
 > (え、風呂って。…かおりんってこの歳でもまだ父親と風呂入っているのか?…入らないわけにはいかないよな。…でも、いたずら、しないよな親だから)
 > 「うん、いいよ」
 > 「ほ、本当か?」
 >  今までの疲れきっていた顔が突然、笑顔になった。
 > 「かおり本気?いつも断ってるじゃない」
 >  お母さんが心配顔でかおりんを見つめた。
 > 「冗談よ、冗談。冗談返しだよ」
 > (やべ、ミスった。やっぱ入らないよなこの歳で…)
 > 「そ、そうか…」
 >  父さんの笑顔はまた、疲れ顔に戻った。
 > 「かおり、もう沸いてるから、お風呂入りたきゃ入りなさい」
 > 「は〜い」
 >  二階へいって下着を選ぶ。
 > (どれにすればいいんだろう?さっきはあせってたから気にしなかったけど、僕、女の体なんだよね、ブラジャーとかって、どう付けるんだろう?)
 >  とりあえず白の上下を選び、一階に降りた。
 > (そういや、風呂場ってどこだ?…ここだろ)
 >  しかし、そこはトイレだった。
 > (今日は感がさえてないな〜)
 >  二回目にして風呂場についた。そして洗面所の鏡を見ながら服を脱ぎはじめた。
 > (うわ〜生ストリップだ〜。む、むねだ。し、しりだ。こ、これが女の体…)
 >  全裸になり、風呂に浸かった。
 >  しばらく浸かった。
 >  じっくり浸かった。
 >  ゆっくり浸かった。
 >  とにかく浸かった。
 >  風呂から出た。
 >  ブラジャーのホックに苦戦したが、どうにか着替えた。
 > (フロントホックなら見ながらできるから、楽だったろうな)
 >  二階へ戻り、パジャマに着替え直し、ベットに横になった。
 > (は〜、大変な一日だった、でも、明日目覚めれば元の世界に帰れるのかな?)
 >  そう思いながら、かおりんは寝た。
 >  かおりんは見なかった。
 >  夢を見なかった。
 >  そのまま次の朝が訪れた。
 >
 > −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 > 第五回掲載予定日:9月下旬
 > 以降掲載予定日未定
 >
 > 著者の独り言:待たせてすいません。やっと完成しました。今回はリアルにしようとしすぎて、骨組みに肉付けをしすぎて毛まで植えてしまったかな?という感じです。はっきり言えばこれは、番外編みたいなものです。予定ではこんな所を細かくやるつもりはありませんでした。だから早く終わらせたくて終わらせたくて文章が途中おかしくなってしまいました。本当は学校の話の方をもっと細かくしたかったんですけど…。これでは終わるのが、いつになるのかわかりません。今のところ1/5パート中の1/3くらい(いや、1/2かな?)終わったところです。まだまだ先は長いです。でも、次はフルハウスの続編を載せますので楽しみにして下さい。それでは、また。SeeYa!
 
 
 
 
  
 
 
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