こんにちは、どこかの星の人達。
僕は今、地球という星で手紙を書いています。
僕らの星にはとても美しいものが有ります。
緑の大地、青い空、白い雲、海と山、生命と文明。
そしてやすらぎを与えてくれる衛星＝月と、これら全てを司る一つの恒星＝太陽。

あなた達の星にはどの様なものがありますか？
きっとこの地球には無い美しさも有るのでしょうね。

あなた達にこの意志が伝わるのは、今からどれ位後のことになるでしょうか？
その頃にはこの星も変わっているかもしれません。
この星に文明が栄えてからまだ日が浅いのですが、その栄え方が急速である為、ずいぶんと環境を破壊しています。
酸性雨、オゾン層の破壊、水質汚染、遺伝子操作、核実験・・・、今でも様々な事を行っています。
あなた達にとって僕ら地球人は、もしかしたら愚かな生命体と感じられるかもしれませんね。
でもあなた達が今やっているのと同じ様に、僕らも一生懸命進化に励んでいるのです。
そして宇宙競争に負けない為に、少なからず努力もしています。

いつかあなた達が、この地球に到達する日がやって来るかもしれません。
その時にはこの手紙を書いた本人も、そしてこの時代にいた人達も、恐らくはもう生きてはいでしょう。
しかし地球はまだ生きているはずです。美しい景色も、そして進化に励む生命達も・・・。

いつかあなた達がこの地球にやって来て、そして僕らが愚かな生命体であったとしても、どうか暖かい目で見守ってあげて下さい。

現在、西暦１９９７年７月２７日、僕のいる日本の埼玉県という場所では、すばらしい青空が広がっています。
この青空を、出来ればあなた達にも見せてあげたかった・・・。

　　どこかの星の人達へ　　地球人の１人より

• 解説 - ノック 97/7/29 22:45:35