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投稿者:
紫苑レイ @ 202.248.232.141 on 97/7/14 14:41:08
In Reply to: <土星>外伝 〜月の少女 (あらすじ)
posted by 紫苑レイ @ 202.248.232.141 on 97/7/14 14:37:28
メイファはとりあえず、神殿の奥に入っていくことにした。
神殿の中は意外と広く、明るかった。ステンドグラスが美しい。
ふと、メイファの後ろから息を弾ませて一人の少年が走って来た。
後ろに束ねた長い髪をなびかせ、しなやかで引き締まった体つきだ。
その少年に気付いたのか、少女の顔に笑顔が浮かぶ。
まるで、愛しい恋人に向けられる女神の様な微笑みだ。
走って来た少年の手を取り優しく声を掛けている様だが、こちらに
はまるで聞こえない。
少しして、その微笑みが消え去った。そして悲しみの色に曇っていく。
ふと、顔を上げた少女とメイファの目が合った。
瞬間、メイファはデジャヴに似た奇妙な感覚に襲われた。
(なんなの?私はこの場面を知っている!?)
メイファは、記憶の糸を手繰ってみるがまるで思い出せない。
しかし、何故か自分は知っている気がした。
そう思い考えているところに、不意に声を掛けられた。
「もし? そこの少女(ひと)。」
ハッとして、メイファは正面に向き直る。
「こちらへ……。そう、もっと近くに来て下さいませんか?」
その声は透明で優しく、慈愛に満ちたものだった。
女神官は、両手を広げ、優しくメイファに微笑み掛けている。
メイファは、おそるおそる近づいた。
「よく来ましたね。異界の娘よ。いえ……もう一人の私。」
その女神官の顔がハッキリ見えた瞬間、メイファは驚いた。
そこには、もう一人の自分がいたからだ。まぁ正確にはそっくり
さんなのだが。
「くすっ。そんなに驚くことはないでしょう?」
両手を差し出して微笑み迎える。
メイファは瞼を閉じ、なすがままに身を任せた。
女神官の掌がそっと頬に触れる。
優しく包み込む様な温かい手だ。
心が安まる。
瞼を開くと、女神官の顔が目の前にあった。
そのまま顔が近づいてくる。
(えっ!? ええ〜っ!ま、まさか私にキスしようとしてるワケぇ!?)
メイファは、思わず目を瞑り、キュッと唇をきつく結ぶ。

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