なるほど。



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投稿者: ヤマザキ @ 202.237.42.72 on 97/6/26 11:32:59

In Reply to: 単行本買ったら途中で挫折しました

posted by ITASAN @ kobekeeper.mhi.co.jp on 97/6/26 11:00:47


> 映画「GHOST IN THE SHELL」も押井色が強い
> ので,納得されていないという話もありますが.僕はけっこう,
> この映画よかったので..エッチな素子も,いいけどさ.

 映画・アニメを見てから原作を読むのは、特に士郎氏の作品
においてはキツイと思います。もろ「士郎好き」な人でないと、
他の作品もお勧めできません。
 私は『ゴースト〜』は、完全に押井氏の世界になってると思うし、
押井氏自身「攻殻の世界を使って自分の作品を作りたかった」みたいな
コメントをしています。
 ただ、『ゴースト』が世界的にヒットしたのは、「士郎氏の絵じゃない」
からだという評価が載っていたりします。士郎氏の作品を知っている方は
分かると思いますが、彼は決して「日本美少女コミック的」表現を
やめたりしません。劇場版ではそういったアニメ的要素を極力排除する
ことで、(オタク的批評をさけられる)世界的ヒットの作品に昇華できた
のだ、というのです。私はなるほど、と思いました。
 私はあくまで原作(というか士郎氏の)ファンなので、ストーリーの方が
イマイチに思えました。(これ以下、原作を知るかたでないと分からない
話になります。)
 劇場版は数時間で終りにしないといけないので、当然オチをどうするか、を
まず考えねばなりません。で、原作のオチ「ネットは偉大だわ」を言わせるためには、
 1、素子を別体に移らせねばならない
 2、そのためには素子を破壊せねばならない
 3、そのために戦車を出さねばならない

 と、逆から考えていかねばならない訳です。原作における素子のミス、人形使いとの
攻防、素子の逃亡・狙撃、そして神(?)との融合をやるには時間が足りなさすぎるし、
見てる人もわけわからんと思います。私は「何でここで戦車を出すんだ?」と思いましたが、
原作見てなければ何の疑問もわかないでしょう。下手に原作に入れこんでる為、劇場版を
素直に見れなかったのかも…。
 士郎氏の原作は理解してもしなくてもいい用語が鬼のようにでてきます。現実世界の我々も
そうですが、理解しにくい単語を並べられると、我々は何故かそこに一種のリアリティを感じる
のです。この方法を利用したものではコナミ社「ポリスノーツ」も挙げられると思います。
ただ、やはり士郎氏の世界が好きな方でないと、ウンチク漫画にしか見えないでしょうし、それで
いいのだと思います。好き嫌い、はっきりしてるほうがおもしろいですから。

 (…サターンで攻殻でない…でしょうね…。)