土星外伝2 第5部 「再会、そして」 第三回



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投稿者: Qちゃん @ webgate.yamato.ibm.co.jp on 97/6/06 11:32:28

In Reply to: 土星外伝2 あらすじ

posted by Qちゃん @ webgate.yamato.ibm.co.jp on 97/6/06 11:18:11

「ヨーコ。もう放してくれよ。ちょっと恥ずかしいよ。」
「あっ、ごめんなさい。でも、なんだか嬉しくて・・・。」
ヨーコは自分のしたことに少し恥ずかしさを覚えて、慌ててマサキを放した。
「ふーん、やっぱり二人はデキてるのね?マサキもスミに置けないわね。」
どこまで本気なのか、クーラがやや刺のある言い方で、マサキを攻める。
「そ、そんなことはないよ。それより大人をからかうのはやめろって言ってるだろ。」
「ふーんだ。マサキよりわたしの方がよっぽど大人よ。そう思わない、ヨーコ。」
「ふふっ、そうかもね。」
楽しそうな会話が弾み、自然と笑みもこぼれる。こんなに楽しく会話をしたのは久しぶりという感覚を、マサキもヨーコも感じていた。

そんな会話の中に、落ち着いた感じの女性の声が割り込んできた。
「あのー、お話中申し訳有りませんが・・」
3人はその声のした方向を見た。一人の小柄な、そうクーラと比べても、
さほどちがわないと思えるような女性が立っていた。
「わたし、メイファ・ノーブルと申しますが、あなたがたはもしかして・・」
その問いかけに真っ先に反応したのはマサキだった。
「メイファ? メイファ・シュウ・ノーブルかい?」
先ほどヨーコに最初に会った反応とは大きく違うことに、少なからずクーラは驚いた。
「その名前を知っているということは・・・あなたなのね、マサキ。」
そういったメイファの瞳には涙が溢れていた。そして、軽くマサキを抱きしめた。
彼女にはそれで充分であった。子供時代の思い出が、自分の中から
溢れ出すような感覚にとらわれた。いままで、ほとんど思い出そうとしなかった、マサキとの出来事が・・。

メイファはどれくらいマサキを抱きしめていたのだろうか。
実際にはほんの数秒間の出来事に過ぎないのであるが、慌てたメイファは
すぐにマサキをはなし、少し恥ずかしがりながらも、じっと彼の目を見つめた。

「ふーん、マサキの本命はこの人ね。ヨーコとはだいぶタイプが違うけど、かわいい人ね。マサキも結構うまいことやってるのね。」
「なんだよ、本命って。失礼だろ。」
マサキは慌ててクーラをたしなめるが、クーラはかまわずに続けた。
「よろしく。あたしはクーラ・ネイバーランド。クーラでいいわ。」
そう言って右手を差し出した。
「私はメイファ・ノーブルです。メイファでいいわクーラさん。」
メイファもクーラにあわせて右手を差し出した。

その様子を黙ってみていたヨーコは、軽く微笑みながら話し掛けた。
「メイファ、久しぶりね。」
メイファは傍らに立つ、美しい女性に振り返り、
「本当、もう十年くらい経つのかしら?」
メイファも軽く微笑み、そう返事した。
二人の笑顔は先ほどマサキに向けた微笑みとは微妙に違っていたが、
それでも、懐かしそうに二人は握手を交わした。