土星外伝2 第5部 「再会、そして」 第一回



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投稿者: Qちゃん @ webgate.yamato.ibm.co.jp on 97/6/06 11:20:51

In Reply to: 土星外伝2 あらすじ

posted by Qちゃん @ webgate.yamato.ibm.co.jp on 97/6/06 11:18:11

メールの発信元は火星のある研究所からであった。
そのメールをみたメイファは、普段冷静な彼女にしては珍しく慌てた様子で、取るものもとりあえずその研究所へと向かった。

もちろん最低限の処理として、休暇届の提出は忘れなかった。この辺は実に彼女らしいといえる。
しかし通常、休暇届は上司が承認しなければ有効にならないのであるが、今のメイファにはそんな事は関係はなかった。
そもそも彼女の提出した休暇届の休暇期間の欄にはこう書かれていた。

         休暇期間 : 未定

これでは承認されるはずが無い。

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火星に入星するには衛星軌道上にあるステーション・ダーレンを必ず利用しなければならない。
事実、無許可で降下しようとすると、衛星軌道上から迎撃される恐れもあるのだ。
もちろんメイファも例外ではなく、まずはダーレンに寄港した。
出発時に検査を受けているため、到着した際はほとんど検査もなくすぐに移動が出来るのである。
また、メイファはFOTEの職員であったため、ことさら処理は簡単であった。
彼女は惑星間移動の際はいつも、FOTEの職員で良かったと思うのである。

そして、彼女は自分の荷物を受け取り、はやる心を押さえつつ、軌道エレベータのホールへと移動を開始した。