投稿者: 吾妻橋 @ as0-24.daito.dix.or.jp on 97/7/24 22:48:08
7/26 神戸ユ 地元・神戸のバクスター監督率いるJ−WESTはバランスのとれた布陣。DFには日本代表に名を連ねる斎藤、柳本、そしてベテラン堀池ら新旧の顔ぶれが並び、中盤にはブラジル代表のボランチ・ドゥンガを底に、ラモス、名波というこちらも新旧日本代表の「10番」が揃い踏み。必殺のスルーパスを繰り出すのは、ラモスの右足か、それとも名波の左足か。いすれにしてもテクニカルで芸術的なパスサッカーを披露してくれるに違いない。 そして前線にはストイコビッチ&エムボマのホットライン。ファンの誰もが期待していた夢の2トップがついに実現する。昨年のMVP・ストイコビッチと今年の目玉・エムボマのコンビが、どのようなプレーをみせてくれるか、今から胸が高鳴る。この2人の他にもFWには目下Jリーグ得点王の永島、鋭い切れ味の森島が控え、J−EASTのGK川口も忙しくなりそうだ。 ------------------------------------------------------------------------ 一方、J−EASTは、超攻撃的なメンバーが揃った。中盤の底を務めるであろうジョルジーニョも含め、いまや日本代表の新・司令塔として定着した若き天才・中田、それにビスマルク、岩本のMF陣。そしてトップのカズ、エジウソン、武田と、ひと癖もふた癖もある「個性派」がズラリと並ぶ。しかも、どの選手もパスが出せ、ドリブルができ、そして自らゴールも奪えるアタッカーばかり。これだけ揃えば、攻撃的にならないわけがない。破壊力抜群のスペクタルなアタッキングフットボール。これが今年のJ−EASTのサッカーだ。 しかも指揮官は「攻撃サッカー」を好む策士・ニカノール監督。予想できないようなメンバー構成で、またもや「あっ」と驚く“ニカノール・マジック”をみせてくれるかもしれない。 かと言って守備に不安があるかと言えば、そんなことは全くない。5年連続出場の井原、そしてブッフバルトのCBは、まさに鉄の壁。井原、ブッフバルトvsストイコビッチ、エムボマ。ため息の出そうな豪華な対決だ。 またJ−EASTにはもう一人注目してほしい選手がいる。6月にマレーシアで行なわれたワールドユース選手権ベスト8の原動力となった中村だ。2002年W杯の日本代表の中心選手となる逸材で、パスはもちろん、ドリブル、キープ、そしてシュートと左足一本でこなすテクニックに溢れる選手。彼と中田という2人の天才が同じチームでプレーするのは、このオールスターが初めて。近未来の日本代表を夢想しながら、2人のプレーを楽しむのもいいだろう。 もちろんJ−EAST、J−WESTそれぞれの最高得票を獲得した浦和レッズのブッフバルト、ガンバ大阪のエムボマの激突からも目が離せない。90年イタリア、94年アメリカと2度のW杯に出場したドイツの、いやレッズの“赤い壁”ブッフバルトが、超人的なスピードと跳躍力を誇るアフリカンパワー“浪速の黒豹”エムボマをどう止めるか。「強さ」と「しなやかさ」の対決には、ワールドサッカーのエッセンスを詰まっている。 さて過去、J−EASTとJ−WESTとの対戦によるオールスターは93年と94年の2回。成績は1勝1敗。スコアはいずれも2対1だった。 しかしJリーグで「西高東低」と言われ続けてきたJ−WESTとしては、ここで汚名返上したいところ。しかも今年は、ストイコビッチ、エムボマという“飛び道具”も揃っている。十分チャンスはあるだろう。 しかし、J−EASTのゴール前には、ブッルバルト、井原、そして川口が立ちふさがる。しかもどこからでも点が取れそうな多彩な攻撃陣。勝敗を予想するのは極めて難しい。ただ、どちらが勝つにせよ、オールスターにふさわしい、サッカーの醍醐味に溢れたゲームになるということだけは疑いようもない。サッカーファンなら決して見逃せない一戦なのである。 7月26日土曜、神戸ユニバー記念陸上競技場。真夏の夜に、みんなで素晴らしいサッカーの夢を見よう。 (文/川端 康生)
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