サターンの金さん 第六回(いつの間にかシリーズ化)



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投稿者: 遠山金三郎 @ tproxy.tky.threewebnet.or.jp on 97/6/02 00:04:52

与力・秋山(以下・)「佐多馬画屋、今回の騒動の一件、そちの言い分申してみよ。」
佐多馬画屋(以下)「はい。実は私どもの業界には、新作の情報解禁について取り決めがございます。その掟をこの電撃屋が破り、やりたい放題。健全だった業界の秩序は乱れきっております。この無法ぶりは許し難きこと、である由問いただしにいった次第にございます。」
電撃屋(以下)「何を言うか。話し合いもせず、自分たちの決めたことを押しつけだだけではないか。それもうちが月刊誌という弱みにつけ込み、解禁と称する日はいつも、うちの発売日の数日後ではないか。秋山様、いつもうちは嫌がらせを受けております。」
「冗談じゃない。いくら礼儀を知らぬ新参者とて、我慢ならん。」
「なんだとやるか、こいつ。」
サターン町奉行・遠山金三郎(以下)「なかなか威勢のいいことじゃ。ならばひとつ勝負で決着をつけてはどうじゃ。」
「これは御奉行。F○7は終わったのでございますか?」
「これ、よけいなことを言うでない。さて勝負方法はじゃ。サターンに二本の縄をくくりつけ、それをお主たちが両側から引っ張る、サターンへの想いが強い方を勝ちとしよう。」
「御奉行!そ、それは、大岡裁きというやつでは?」
「案ずるな秋山。調べてある、あれは作り話じゃ。さて決戦は次の金曜日じゃ。一般公開とするぞ。」
「わかりました。」

...さて次の金曜日...
町人A「そりゃ佐多馬画屋の圧勝でぃ。なんといってもMIDパワーがありぃな。」
町人B「いや電撃屋はインサイドワークが巧えからな、わかんねえぞ。」
老人Z「お主ら若えもんは知らねえかもしれんが、先代の暗黒魔導師事件以来の因縁じゃからして、。」

同心A「お互いよいか。はじめぇ!」
ところが事態は以外にも、両者ともたぐり寄せるでもなく手を離すでもなく拮抗したまま、半時が過ぎていった。
「もうよかろう。勝負は中止じゃ。…(佐多馬画屋に向かって)その方、何か言いたいことがあろう。」
「はい、御奉行様。最初はサターン可哀さに手を離した方が勝ちとするお裁きかと思いました。そして手を離そうかと思ったのですが、できませんでした。」
「ほほう、なぜじゃ。」
「もし私が手を離したらどうなりましょう。引っ張り合って宙に浮かんだサターンは、落ちて壊れてしまうでしょう。サターンを守らねばと思い、そのまま縄をもちつづけておりました。」
「私も同じで気持ちでございました。もしどちらかが、強引にたぐり寄せたり、手を離したりすれば、サターンは壊れてしまう。そうだこれは勝負というのは名ばかりで、本当はお互いで協力してサターンを持ち上げることの大切さを教えてくれているのでは、ということに気づきました。」
「うむ、よう気づいてくれた。儂は嬉しいぞ。」
「ごめんよ電撃屋さん。考えみたら今はインターネットでどんどん新作の情報が流れている。そんな状況でおまえさんのところだけを責めてしまった。許しておくれでないか。」
「こちらこそ、意固地になって出し抜くことしか考えてなかった。もっと他の読み物で読者を惹きつけるべきだったんだ。こちらこそ許しておくれ。」
「ところでじゃ、世間を騒がせた罪は罪、裁きを申し渡さねばならん。両名とも百叩きを命ず、   るところではあるが、改心したその態度に免じ、お咎めなしとする。」
「御奉行様、なんてお礼をもうしたらよいか。」
一同「天晴れ御奉行、日本一!」
「これにて一件落着!」

(注)この作品はフィクションであり。登場する個人・団体名は、実在のものとは何ら関係ありません。